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LTE「人口カバー率」の怪

「市区町村方式」に固執するドコモの矜持

2012年11月1日(木)

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 スマートフォンやタブレット端末全盛時代の通信業界では、高速通信規格、LTEインフラの充実度が各企業の競争力の源泉ととらえられるようになってきた。それを測る尺度として当座使われているのが「人口カバー率」だ。ソフトバンクモバイルが2013年3月末までに「iPhone5対応のLTE実人口カバー率を91%に引き上げる」と発表すると、KDDI(au)は「800MHz帯を含むLTEの実人口カバー率96%を目指すと対抗する、といった具合だ。

 10月26日、最大手のNTTドコモの加藤薫社長がどう言うか注目されていたが、「ドコモはあくまでも人口カバー率75%」と「控えめ」な数字を変更しなかった。加藤社長は「ある社は『実人口』といったり、よくわからないベースで数字を出しており正直面食らっている。異なる『分母』で『分子』を競い合うのは建設的でない。お客様が実感する通信速度の速さでは最も納得してもらえるのがドコモだと自負している」と話した。

 ドコモ75%、ソフトバンク91%、KDDI96%という差がどうして出るのか?

 LTEを最も早く始めたドコモがなぜ75%と低いのか?同社は「総務省が規定する『人口カバー率』を基準として一貫して公表している」(同社広報)という。

 総務省の規定する人口カバー率とは、「カバーされている市区町村の人口の合計÷国内総人口」。市区町村がカバーされているかどうかの判断は、「当該市・区役所、町・村役場付近で利用可能であれば、当該市区町村においてカバーされている」ことだ。

 つまり役所付近でLTEの電波が入れば、その役所の管轄する自治体はすべてカバー人口に算入されるのだ。ちなみに市の場合は、市役所だけでなく支所、出張所もすべてカバーする必要がある。その下に区や町、村がある場合はそれぞれの役場をおさえなければいけない。

 一方でソフトバンクやKDDIが採用している「実人口カバー率」はドコモとは全く違う発想で、「メッシュ法」を採用している。ソフトバンクに聞いてみると「全国を500メートル四方のメッシュに区分けし、LTEがカバーしていればメッシュ内の人口全体をカバー人口に算入する」(同社広報)。メッシュ内の何割程度の人がLTE利用可能ならカバーされていると見なすかについては「非公表」だという。

 KDDIは500メートルメッシュを利用するところまではソフトバンクと同じ。だが、「メッシュ内の1世帯でもLTEが利用可能ならば、メッシュ全体の人口をカバー人口に入れる」(同社広報)のだという。こうしてみるとKDDIが最も緩い基準の様にも見えるが、「実際に1世帯だけが引っかかっていて全部を算入しているメッシュはほとんどない」(KDDI広報)。携帯電話の基地局は政令指定都市やそれに準ずる人口密集地から建設するのが普通だから、確かにこの説明もうなずける。

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「LTE「人口カバー率」の怪」の著者

小板橋太郎

小板橋太郎(こいたばし・たろう)

前日経ビジネス編集委員兼副編集長

1991年立教大学文学部史学科卒、日本経済新聞社入社。整理部、社会部、産業部などを経て2011年から日経ビジネス編集委員。現在は日本経済新聞社企画報道部デスク

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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