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第15話 これが高額商品を買う瞬間 勝負の舞台『上がり込み』その2

「買うという意志を持つお客様」に仕向けるには?

  • 弓飾 丸資

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2012年11月2日(金)

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 前回は、『上がり込み』前半のトークと『高い高い』効果により、実際に商品説明をするクローザーである私が提示した「650万円」という金額が、お客さまにとって「安い」と感じてしまうまでの流れをつづってきた。アポマン(註=訪問販売をして商品説明を聞いて欲しいとお願いするだけの役割)のトークからひたすら『高い高い』とお客様に吹き込んできたことの効果を十分知ってはいても、実は私自身『上がり込み』の度にその効果の絶大さに驚きを感じてしまう。

 もともと買う意志など持っていないはずなのに、いやそれゆえに独りでに「何となく想像」して、“新築なら外壁廻りが1500万だからリフォームなら1000万円くらいだろう…”。それくらいに(根拠なく)思っていたのに対して、それから随分値が落ちた「650万」という価格だったため、これまた根拠はないはずなのだが、“おっ?これはかなり安いのではないか?”とお客様が感じている、そういう段階から話を続けていこう。

 根拠は無いが、本人たちはまだ「買う意志を持っていない」のだから、その思いはあくまで「何となく」の線であり、そのままでは「こちらの求める方向」にまでは、決して飛び越えて来てはくれない。そこでここでいよいよ最大の第4の「楔を打ち込む」のである。

 このままでは俗に云う「仏つくって魂入れず」の例えの通りである。ご本尊(御家族の皆さん)はどう考えているかはともかく、おぼろげながらも外壁リフォームの施工の「形と値段を知った」のだから、もう「説明を聞くだけの御家族(傍観者的立場)」から一歩前に出て、お客様、すなわち「買う者」の立場になっていただかねば困る。そうでなければ、このままではこのセールスの一連の作戦が全て水泡に帰してしまう。私クローザーとしては、今目前にいる御家族を、「買う(外壁リフォームをする)というハッキリした意志を持つお客様」の方向に仕向けなければならない。その意味では「伸るか反るかの大勝負」、まさにこのセールス最大の山場に差し掛かったと言えるのだ。

 「それでは」とおもむろに650万の見積もりを御家族の前に開き、「やはり高いでしょう? 我が社の製品は?」と御家族の顔をうかがうように切り出すと、見積もりを見せられた御家族の皆さんは、この時点でまだ買う意志など芽生えてもいないものだから、「高い高いと言う割には大したことないんだなぁ」くらいの顔つきだ。散々聞かせた『高い高い』の連発で、頭の中でそれぞれが目一杯膨らませていた高い価格の想像で、少々の高額には驚かぬ“高額免疫”が出来上がっている。それでも興味ありげにそれぞれが見積もりをのぞき込む。

「できない相談、できない値段」で本気モードに誘導する

 「しかしどうです? こんな高いお値段でリフォームをなさいますか? いやいや今日はあくまでご説明に上がったのですから、リフォームをお願いしようなどとは全く思ってもいませんが、これ仮にですが、もしこの650万のお値段でお願いしますなんて申しましたらどうでしょう? おやりになりますか? 先ほどご説明しました通り外壁材もそして施工の仕事も我が社のものは、とびっきりが付く程良いものなんですが、ちょっとねェ、社員の私でさえ高いなーと思ってしまうんですから…、本当にこれ、ちょっとおやりになるお気持ちにはならないでしょう…、どうです?」

 この台詞即ち『楔』なのである。このトークが終るやいなや御家族の顔が、先ほどまでと打って変わった真剣な様子に変貌する。「潮目が変わった」と思って差し支えない。この瞬間から初めて、「もしリフォームをするとなった場合なら…“?”」と、あくまで仮定であっても、御家族は「お客の立場」になって考え始めたのだ。

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