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TOEIC“裏ワザ”を見て考えたグローバル人材育成

必要性を感じさせるマネジメントこそ近道

2012年11月12日(月)

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 今年、TOEICを2回受験した。春先に受けた際に隣席の受験者の“裏技”に驚かされてペースを乱されて惨敗。その裏技を自分でも実践すべく、秋にもう一度受験したのが2回目だった。結果的に裏技を使いこなせず、この回も散々だった。策に溺れてしまった。やはり基礎的な英語力を身に着けるという正攻法でなくてはいけないと反省している。

 裏技はそれほど大げさなものではない。TOEICはリスニング(パート1~4、100問で45分)とリーディング(パート5~7、100問で75分)に分かれている。リスニングの各パート冒頭には問題形式と例題を流すイントロダクションがある。その間にパート5以降のリーディングを解き進めてしまうというものだ。両方の問題は同じ冊子に載っているので、ページさえめくればリスニングの試験が始まった瞬間からリーディングの問題にも取りかかれる。問題形式さえ知っていれば、イントロはそもそも聞かなくてもよい。注意事項にも、この行為を禁止する条項はない注)

注)173回試験(今年9月23日実施)より禁止行為に「リスニングテスト中にリーディングセクションの問題文を見る行為、またはリーディングテスト中にリスニングセクションの問題文を見る行為」が付け加えられました。本記事で紹介した裏技は、現在禁止行為に該当します。

 記者は春にTOEICを受けた際、このことを知らなかった。だから、隣席の受験者がリスニング問題の進行とは関係なくページをめくりまくり、マークシートにどんどん回答を書き込む気配を感じたので何事だろうと思ってしまった。この時点で記者は受験者として失敗している。周囲が何をしようが、試験に没頭しなければならない。だが、意識を集中できず、隣席が気になってしまった。試験が終わるころにようやく気付いた。「ずるい」と思うと同時に感心した。そんな手があったのかと。

 それでもう一度秋に受けたのだが、この裏技は熟練していないと両刃の剣になる。イントロの間にリーディング問題を解くといっても、まったく聞いていなければ戻るタイミングがつかめない。少しでも遅れると、リスニングの本題解答に支障が出る。イントロを聞き流しながら、リーディング問題を解くには集中力が必要だ。裏技(と勝手に記者が呼んでいる)は、ある程度の英語力もしくはTOEICの受験経験、模試による事前準備がなければ使いこなせないテクニックなのだ。

裏ワザ実践者はグローバル企業社員だった

 ここまでならば、記者のTOEIC失敗談で終わる。だが、たまたま記者はこの裏技の存在を教えてくれた隣席の受験者の勤務先が分かった。試験が終わった後にちらりと見えた受験票に記された氏名欄の名字が珍しく、また彼が登場していたインタビュー記事を試験の数日前に読んでいたからだ。隣席の受験者はある大企業の幹部だ。その企業はグローバル人材の育成に力を入れており、採用や昇格の条件にもTOEICの点数を挙げている。

 今思うと、彼はこの裏技に慣れていた。そして、ページをめくる音が結構うるさいぐらいで、その気合いがひしひしと伝わってきた。多くの受験者がシャープペンシル2~3本しか用意していないところを、きれいに削られた新品の鉛筆を10本近く机に並べている彼の姿は印象的だった。ちなみに消しゴムは3つあった。

 試験で高得点を取るために努力するのは正しい。彼の会社の方針にもかなっているだろうし、グローバルなキャリアを拓くものではあろう。ひょっとしたら昇進に際して、スコアがボトルネックになっているのかもしれない。それならば、得点次第で給料も増える可能性がある。だが、必死すぎる姿を見るうちに、日本企業のグローバル人材育成について考えさせられた。

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「TOEIC“裏ワザ”を見て考えたグローバル人材育成」の著者

上木 貴博

上木 貴博(うえき・たかひろ)

日経ビジネス記者

2002年に筑波大学を卒業し、日経BP入社。「日経ビジネス」「日経情報ストラテジー」「日経マネー」編集部などを経て、2016年4月から現職。製造業を中心に取材中。趣味は献血(通算185回)。相撲二段。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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牛島 信 弁護士