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人口オーナスへの対応を阻む長期雇用、年功賃金

日本型雇用慣行について考える(その3)

2012年11月14日(水)

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 今回は、人口問題との関係で日本型雇用慣行の問題点を議論してみたい。やや脇道にそれるが、昔話から始めよう。

 その昔(多分1970年代前半頃だと思う)「現代経済」という赤い表紙の雑誌(隔月刊で日本経済経新聞社が出していたと思う)があった。毎号、第一線の経済学者が登場して、最新の理論を背景に経済の諸問題を論じており、私は欠かさず購読していた。

 この中で確か稲田献一氏(故人、高名な数理経済学者)が司会を務めた対談に金森久雄氏(経済企画庁出身の官庁エコノミストで私の大先輩)が出席したことがあった。この対談では、経済学者たちが最先端の難しい理論的な問題を延々と議論していたのだが、金森氏はほとんど発言しない。

 見かねた司会の稲田氏が発言を促すと、金森氏はただ一言「経済学者は歯医者のようなものだ、歯が痛くて困っている人がいたら治療しなければならない」という謎の言葉を発して、後は再び黙り込んでしまった(記憶に頼って記述しているので、細部については不正確である可能性があります)。

 私はこれを読んでいておかしくてたまらなかった覚えがある。金森氏の言いたかったことは要するに「経済学者は難しい議論のための議論をするのではなく、歯医者のように世の中の役に立つような議論をしろ」ということだったと思う。

 確かに、経済学者は医者のようなものかもしれない。「経済」を診断し、「経済」を常に健全な状態に保つようにするための処方箋を描いて、その実践を促し、少しでも人々の福祉のレベルを引き上げることがその使命である。

 そのためにもまずは適切な診断が求められる。このとき重要な点は、表面化している症状は、それ自身が病なのか、別の病によってもたらされた症状なのかということだ。

 例えば、「頭が痛い」といってやってくる患者がいる。患者本人は、頭が痛いということは分かっているが、その原因は分からない。単なる頭痛であれば頭痛薬を処方すれば良いのだが、クモ膜下出血の前兆であれば直ちに脳外科の専門家が治療する必要がある。この場合は、病気そのものを治療して、結果的に頭痛が収まるようにしなければならないわけだ。

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「人口オーナスへの対応を阻む長期雇用、年功賃金」の著者

小峰 隆夫

小峰 隆夫(こみね・たかお)

法政大学大学院政策創造研究科教授

日本経済研究センター理事・研究顧問。1947年生まれ。69年東京大学経済学部卒業、同年経済企画庁入庁。2003年から同大学に移り、08年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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