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ルイ・ヴィトンの露天商が日本で消えた理由を学べ

競争力の維持と企業防衛のために契約書を徹底的に活用せよ

2012年11月21日(水)

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村上隆氏設立のカイカイキキ社のプロデューサーが面白いことを言っていた。

「ルイ・ヴィトンとの契約書はそれ自体が村上芸術のマイルストーンだ。締結するまでに3年かかった。(村上は)冗談ではなく、その契約書が美術館に飾られることを考えていたのでしょうね」と。欧米アートビジネスの世界で海千山千の相手と戦ってきた彼らがいかに契約書に注力しているかを、この言葉から汲み取ることができる。

口約束などで軽くビジネスを始める危うさ

 クリエイター企業においては、事業運営の仕組みや事業開始のチェック項目の中に契約書の活用を組み込むことをお勧めしたい。クリエイター企業の現場クリエイターは得てして法律に弱く、また、重厚長大産業に勤める方は驚かれるかもしれないが、口約束などで軽く他社とビジネスを開始してしまうことが往々にしてある。順調にビジネスが進んでいる時はよいのだが、これが後々になって、事業がつまずき始めると条件面などで禍根を残す結果となる。

 そこで、現場のクリエイターに余計な負荷をかけないためにも、また企業間のトラブルを避けるためにも、ビジネススキームは早々にマネジメントサイドで確認し固めておき、書面で残した方がよい。想定されるリスクをブレスト含めて抽出し、作業に取りかかる時は可能な限り条件や仕組みを詰め、契約書として書面にしておくのだ。

 以前、私が勤めたベンチャー系の映画会社ではトップマネジメント自らが契約書締結をとても大事にしていた。日本では口約束での映画制作がまかり通っていた時代に、いち早く欧米スタイルの契約書締結をもってビジネスを開始するようにしており、さらにはベンチャー企業にして社内弁護士を擁し、リーガルについては万全の体制を組んでいた。

 また、法律とは直接関係はないが、映画制作の保険も早くに導入し、経営トップを含めた経営陣がリスクについて敏感であり、管理業務に深くコミットしていたのが興味深かった。この保険は天候や監督、俳優の怪我などによる突発的な撮影の遅れ等による費用増大を付保したものだが、実は私の前職であった石油化学会社が依頼していた海外の保険ブローカーに依頼し、日系保険会社ではできない保険を敢えてつくってもらった。

 他業種である石油化学会社の発想をもってきても、経営陣から安易に業界が異なるから参考にならないなどの発言はなく、トップが率先して勉強し、導入を急がせたのが印象的であった。

約束こそがすべて

 話を元に戻して、契約の話であるが、上記の例を出すまでもなく、中小企業や後発の企業が大企業と競っていくためには、やはり約束を確たるものにしていくのは当然のことと思う。また、パワーバランス的にこちらが弱者である場合には、何かで揉めた際に明文化してあるのと、していないのとでは大違いである。簡単に言えば泣き寝入りをしなくて済む上に、大手企業の場合は体裁を気にするので、キチンとした契約書があり、それゆえに争点が発生した場合は彼らも自らのリスクを考慮してフェアなテーブルについてくれる可能性が高くなる。

 さらには、懇意にしている弁護士から、契約書の交渉の経緯が記録に残っている場合、契約書に記載がない場合でも、その記録により一定度の合意をしたと見なされる場合があると示唆を受けたことがある。要は提案したワード形式の契約書をメール等でやりとりをして修正を重ねている内容は、例えば自分に有利な条項を削除した形跡があれば、それをもって条件を放棄したと見なされる場合があるということだ。そうなれば契約条項の解釈が問題になった場合に影響を生じることがある。

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