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香港でシャワートイレ取り付けが難航したワケ

文化を輸出するのに必要な条件

2012年11月22日(木)

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 香港支局への駐在を命じられ、赴任して2カ月以上が経った。色々とトラブルはありつつも1つひとつクリアしながら次第に生活インフラも整え、この国際都市での生活にもようやく慣れつつある。だが、ひとつ、乗り越えなければならないが、毎度心が折れそうになる出来事がある。私の場合、周期が規則的なのでそれはおおむね毎日私を悩ませている。

 尾篭な話で恐縮だが、トイレの事情だ。

 と言っても、トイレが不衛生で耐えられないといった類の話ではない。香港の公衆トイレは、東京の水準と比べればやや劣るものの、おおむね清潔に保たれている。ただ、地下鉄駅やコンビニにはトイレがなく、オフィスビルのトイレも従業員専用(カギ付き)なので、町中で催したら商業施設かホテルのトイレか公衆トイレを探すほかない。もっとも、こちらでの生活に慣れてくると、どこにトイレがあるかを検知する「トイレ勘」のようなものが働くようになって、トイレの場所を必死で探し回ることはなくなった。

課題先進国の日本のカルチャーが世界を豊かにするはずが

 大変贅沢な悩みで恐縮なのだが、私を悩ますトイレ問題とは「シャワー洗浄機能」の有無のことだ。有無どころの話ではない。ない。まるでない。香港では一部の宿泊施設や日本人駐在員の家庭用トイレなどを除けば、シャワートイレというものはほぼ存在しない。不思議である。ドラえもんが生誕前100年(2112年生まれ)であることを記念して、尖沙咀(香港の商業地区)フェリーターミナルが100体の実寸大ドラえもんに「占拠」されたりもするほど日本カルチャーを愛してくれている香港人が、なぜトイレのシャワー洗浄機能に対してはかくも冷淡なのか。

 私は2009年、リーマン・ショック直後の新年号『日経ビジネス』で「ジャパン・イニシアチブ」という特集を担当した。その中で、課題先進国で生まれた日本のカルチャーはやがて世界で生活を豊かにするものとして受け入れられるだろうと書いた。その一例として挙げたのがシャワートイレだった。マドンナやレオナルド・ディカプリオなどのハリウッドスターも絶賛したという報道を目にしたこともある。「食」の裏返しであり、私たちが生きていくためには避けて通れない営為であるところのものを、かくも快適かつ衛生的に改善してくれる発明がかつてあったろうか。

 だが、私が香港で直面したのは、このシャワートイレという商品がいかに海外対応が難しいものであるかという事実だった。

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「香港でシャワートイレ取り付けが難航したワケ」の著者

池田 信太朗

池田 信太朗(いけだ・しんたろう)

日経ビジネスオンライン編集長

2000年に日経BP入社。2006年から『日経ビジネス』記者として、主に流通業界の取材に当たる。2012年『日経ビジネスDigital』のサービスを立ち上げて初代編集長、2012年9月から香港支局特派員、2015年1月から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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