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総選挙の争点となるエネルギー政策

国力を高め、国民を守る方向性を示せるか

2012年11月30日(金)

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 11月14日の午後、国会における民主党と自民党の党首討論で野田佳彦首相が、わずか2日後の同月16日の衆議院解散を“宣言”した。極めて異例のことである。その直後の同日夜、第33回となる経済産業省の総合資源エネルギー調査会の基本問題委員会が、約2カ月ぶりに開かれた。

解散でさらに不透明になった基本計画

 同委員会で議論を重ねてきた新たなエネルギー基本計画の策定に関しては、この解散・総選挙によって、ますます不透明になったと言わざるを得ない。前回の本コラムで紹介した三村明夫委員長(新日鉄住金取締役相談役)の「越年することになるだろう」との“予言”が、くしくも解散・総選挙によって現実のものとなったのである。しかも、どのような形であれ、政権が代わる確率は極めて高く、新たなエネルギー基本計画に関する議論も全くの白紙に戻される可能性すらあるだろう。

 実際、14日の第33回会合は、新たに具体的な議論に踏み込むことなく、これまでの議論の総括に終始した。国家戦略室による「革新的エネルギー・環境戦略の進め方について」「グリーン政策大綱の策定に向けて」「原子力委員会見直しについて」、資源エネルギー庁の同委員会事務局による「原子力政策の課題」「『革新的エネルギー・環境戦略』を踏まえた省エネ・再エネの取組について」「電力システム改革の検討状況について」「今冬の電力需給対策等について」などの報告があり、続いて各委員が意見を述べた。

 同委員会には、さまざまな立場の委員が集められ、それぞれに理想とするところを主張し合った。議論を取りまとめることは、なかなか難しく、丁寧に時間をかけなければならなかった。第33回会合でも、各委員の発言には、その理想とするところの相違が如実に表れていた。

「原発ゼロ」だけでは政治を任せられない

 だが、重要なのは、我が国の置かれている困難な現状と目指すべき理想との間にある、現実的な解を求めることである。同会合でもわたしは、そのことを改めて強調した。

 「原発ゼロ」といった定量的な目標を早急に定めることにも、わたしは違和感を覚える。縮原発の方向性は確かだとしても、その代替となる再生可能エネルギーやコージェネレーション(熱電併給)システムなどの分散型電源の導入拡大策や、新たな省エネ策などを具体的に議論し、進めていくことこそ重要だろう。そして、産業にとっても、国民生活にとっても不可欠な電力の安定供給を確保するためには、世界最高レベルの安全基準を定め、それをクリアした原発は再稼働することも必要になる。

 何より考えるべきは、国力を高め、国民の生命と生活を守ることである。

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「総選挙の争点となるエネルギー政策」の著者

柏木 孝夫

柏木 孝夫(かしわぎ・たかお)

東京工業大学特命教授

経産省の総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会長などを歴任し国のエネルギー政策づくりに深くかかわる。総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会の分科会長、同調査会基本政策分科会の委員を務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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