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第18話 松井さんが女性にモテる理由

お客様と同じ。自分の中にある三悪を排除せよ

  • 弓飾 丸資

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2012年12月7日(金)

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 ここから2回ほど、「天使たちの訪問販売」の番外編として、これまで本連載で登場したユニークなセールスマンたちのエピソードをいくつか紹介させていただきたい。彼らのセールス・スタイルの原点、いやセールス思想の原点にも通じる話だと思うからである。

「第一感」でコソ泥を見抜いた名アポマン

 これは余り知られていないことだが、毎日1軒1軒お宅を訪ね歩いている訪問販売のセールスマンは、自然に『第一感』とでもいう直感が鋭くなっていく。訪問した玄関先でそこの家人に出会ったその刹那の顔色を見て、コンマ何秒かの内に「今その家人が何を考えているのか?」「どの様な方なのか?」を見分けようとする毎日が続くからだ。第一感はいやが上にも養われていく。だから訪問販売のベテラン・セールスマンともなれば、かなりその第一感が鋭くなっている者が多いのも頷けるだろう。

 先にご紹介した名アポマンの『チビゴジラ松井さん』は、その直感力が大変鋭く、瞬時にお客の人となりまでを見抜く力が抜群だった。

 これはいろいろある面白い彼のエピソードの中の一つ。会社では寮があり、松井さんにも一室を与えられていた。もっとも、寮といっても安マンションの3DKに他の社員3人との同居住まい。だからトラブルが発生することも珍しくない。

 ある時その寮に新人が入って来たのだが、この新人が松井さんには大層お気に召さない。まだ何もトラブルらしきものも起こしていないういに、松井さんはその男を一目見て自分の第一感で、彼が『手癖の悪い泥棒のような男だ』と断定したという。

 思案の末松井さんはこの男に1つの罠を仕掛けることを決意した。「だから班長(私)も付き合ってくださいよ」と言う。さて、どうするのか? 彼のなすがままに見ていたのだが、まず彼は会社の休みの日にわざわざ福島にある競輪場へ行ったかと思うと直ぐに戻って来て、私にその夜、居酒屋へ一緒に来てくれと誘うのだ。その後、驚いたことにその「泥棒」君(仮称)も一緒に居酒屋に連れて来たのである。松井さんがその一日掛けで仕掛けた罠とはこういうことだった。

 競輪には趣味もない松井さんがわざわざ競輪場へ出掛けて行ったのは、場内に落ちているハズレ車券を拾うためだった。それを拾って帰って来た松井さんは同じ寮の仲間たちに、「今日競輪に行って来て35万円取ったぞー! 他に用事があったので前売りだけを買って帰ってきたんだが、今ラジオの結果放送で35万円当っていたのを知ったんだ。俺、競輪はヤラナイ方だからあまり行かないが、今朝の夢見が気になったものだから、もしやと思って買いに行ったんだが、マサカねぇ、イヤー参った参った、ラッキーラッキー! まだ金には替えていないが、明日会社を休んで金に替えに行って来るよ、飲むぞー今夜は!」。

 こんな調子で吹聴しておいて、「俺のオゴリで班長と飲むから、お前も付いてこい!」と松井さん、断定『泥棒』君と共に居酒屋の止まり木で、私との3人で腰を掛けることに相成ったという次第だ。

 しかし3人で飲み出して1時間も経たない内にその断定『泥棒』君、「誘ってもらったのは有難いのですが急だったもので、誠にすみませんがまだ他に人と会う約束がありますので私はこの辺りで」と、愛想笑いを浮かべて何度も頭をペコペコとやりながら帰って行ったのだ。松井さん、彼の帰って行く姿を見届けるなり、キャッキャッと笑い出し「ヤッター! もうこれで奴の顔を見ずに暮らせるー!」と大ハシャギ。その後、松井さんが説明したこの「罠の種明かし」は、次の如くだったのだ。

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名言~日経ビジネス語録

大量陳列、大量販売というのがある程度限界にきているのかなと思います。

松﨑 曉 良品計画社長