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羽田発着枠の配分に怒りおさまらぬJAL

半年で意見が180度変わった国交省の罪

2012年12月5日(水)

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 「到底、納得できるものではない」。

 2012年11月30日に国土交通省の発表内容を受けた日本航空(JAL)の担当者は声を荒げた。

 この日発表されたのは、2013年3月から発着枠が増える羽田空港国内線の航空会社への配分である。ライバルの全日本空輸(ANA)が8枠を取得したのに対し、JALは半分以下の3枠しかない。現在の発着枠の規模を見ると、JALが180.5枠あるのに対して、ANAは163.5枠。シェア通りに配分されれば、2倍以上の差が付くわけがない。過去に羽田空港の発着枠が配分された際には、ANAとJALの配分数はほぼ同じ。1~2枠程度違うことはあっても、ここまで大きな差が付くことはなかった。

 今回の配分では、過去5年間の実績をもとに国内航空各社を点数化し、これを基準に枠数を決めた。JALが大幅に配分数を落としたのは、経営破綻した2010年1月から再上場する2012年9月までの公的支援を受けていた期間を、自立できていないため評価に値しないとして、減点したためである。公的支援下にある期間を無効とすることで公平性を打ち出した格好だ。

ANAが年間売上高で100億~150億円分有利に

 羽田空港の発着枠は、1枠当たり年間20億~30億円の売り上げが期待できるという。そのため今回の配分だけでも、ANAはJALよりも売り上げで年間100億~150億円分有利になる見込みだ。

 この結果を受けて、両社は11月30日、次のようなコメントを出した。まず8枠を獲得したANAの伊東社長は、日経新聞に対して「配分された枠を活用し、地方路線を充実させてきた努力を評価していただいたと認識している」。一方のJALは、「納得のいくものではない」。

 発着枠の発表後、筆者は様々な声を聞いた。賛成派の意見は、おおむね次のようなものだ。「JALは公的資金を使って再建した。たとえ再上場したからといって、自社の努力によってコストダウンを図り、成長してきた他の航空会社と同じように枠が配分されるのは不平等」。ANAの伊東社長がかねてより訴えてきた「不平等」論を支持する意見だ。「自力で経営努力を進める企業をないがしろにする判断は良識に欠けるだろう」「なぜ税金をつぎ込んで再生させた企業に枠を配分しなくてはならないのか」という厳しい内容のものもあった。

 一方、反対派の論理はこうだ。「せっかく公的資金を投入して再生したのに、ここで再び足を引っ張るような差別を受けることは国益に反している」。「公的支援は終わって、民間会社になったのだから他の航空会社と平等に扱うべきだ」というわけだ。

 筆者が聞いた意見は、圧倒的に前者のほうが多く、JAL側の意見を支持する声は少ない。

 ANAの立場に立てば、「なぜ自助努力している企業と公的支援を受けた企業が、平等に扱われなくてはならないのか」と感じるだろう。特に今、ANAは業績面でもライバルのJALに大きく水を開けられている。2013年3月期第2四半期の業績を見ても、JALが1121億円の営業利益を叩き出したのに対して、ANAは753億円。過去最高益を打ち出したにもかかわらず、JALとの差は広がるばかりである。

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「羽田発着枠の配分に怒りおさまらぬJAL」の著者

日野 なおみ

日野 なおみ(ひの・なおみ)

日経ビジネス記者

月刊誌「日経トレンディ」を経て、2011年から「日経ビジネス」記者。航空・鉄道業界や小売業界などを担当する一方、書籍編集なども手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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