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通信「三国志」の奇妙な符合

三者三様に描く未来

2012年12月6日(木)

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 ソフトバンクがイー・アクセスを買収し、日本の通信会社は3社に集約される。1985年の通信自由化から4半世紀を経て新しい三国時代に突入しようとしている。12月3日号の日経ビジネスは特集「さよなら電話」で、米グーグルやアップルなどの台頭で携帯端末とサービスの両端を握られ、従来の通信会社が、ただ通信回線を提供するだけの「土管」になる危機についてレポートした。通信業界は日本の産業の中で最も華やかな時代を迎えつつある一方、最大の危機に直面している。

 激動の時代には個性際だった指導者が現れるという。特集ではNTT、ソフトバンク、KDDIの3社の社長にインタビューする機会を得た。

役者はそろった

 計4時間のインタビューを終えたあとに残ったのは、「役者がそろったな」という感想だ。

NTT社長の鵜浦博夫氏(写真:村田 和聡、以下同)

 通信のガリバー、NTTの社長に今年6月就任したのは鵜浦博夫氏。NTTの前身は日本電信電話公社。1985年に民営化されるまでは国有企業だ。もっとさかのぼれば戦前は逓信省と呼ばれた官庁の一部。歴代のトップは「総裁」と呼ばれた。その歴史を引きずるように歴代のNTT社長も官僚然とした人が多かった。

 だが鵜浦氏は少し毛色が異なる。2010年に2800億円を投じて南アフリカ共和国のシステム大手ディメンションデータを買収し、事業の柱を世界でのクラウドコンピューティングへと大きく舵を切ろうとしている。「規制の多い国内の通信事業は成長の余地が少ない」と断言しており、北米から「アタッカー」としてクラウド事業を展開するという。

 電電公社時代の資産である国内の通信網を使って、光回線などで独占的なサービスを提供しようとしてきたこれまでのNTTの基本戦略からすると、革命的とも言える方針転換だ。社内では「子分を作らない」ことで知られる。あるNTT幹部は「派閥を作らないことが幸いして雑音に紛らわされずに大胆な経営判断ができる」と指摘する。

ソフトバンクの孫正義社長

 挑戦者という看板が最も似合うのがソフトバンクの孫正義社長だ。1980年にコンピューターソフトの卸売り会社(現ソフトバンク)を設立、米アップルの故スティーブ・ジョブズ氏やマイクロソフトのビル・ゲイツ氏とも親交が深く、シリコンバレーの最先端の潮流をいち早く日本に持ってきた。

 2003年にあおぞら銀行株を売却しブロードバンド事業に参入。町中でモデムをただで配るゲリラ作戦でADSL「Yahoo! BB」を展開、これが日本のインターネットの普及を加速させる。その後はボーダフォン・ジャパン買収、「ホワイト」の冠をつけた数々の料金値引き、アップルのiPhone投入の三段ステップで携帯電話業界に地歩を築いてきた。今年10月の米スプリント・ネクステルの買収により、NTTと別の方法でグローバル市場に出ようとしている。

KDDIの田中孝司社長

 最後の一人がKDDIの田中孝司社長だ。KDDIは2000年にDDI、IDO、KDDの三社が合併して成立。通信自由化によって、DDIの母体となった京セラや、トヨタ自動車、JRなどが次々と通信事業に参入したが、その諸勢力を糾合したのが今のKDDI。田中氏はその中でも正統派と言われるKDDの出身だ。

 見た目や雰囲気は3社トップの中で最も温厚に見えるが、就任2年間という短い間で執り行ってきた戦略から見れば、最も過激といってもいい経営者だ。同社は従来型携帯電話からスマートフォンへの移行で立ち後れていたが、最初の1年で一気に挽回。2年目からはソフトバンクに続いてiPhoneを投入した。光回線とスマートフォンの一体割り引きという、これまでKDDIが躊躇してきた「伝家の宝刀」を抜き、NTTから光回線の顧客を奪う。

コメント1件コメント/レビュー

NTTからして国内市場を見限ってしまっているわけで、規制当局はこの現状をきっちり再認識しないといけないでしょ。電話時代の規制を引きずって、誰も喜ばない制度を延々と続けていてどうするんですか。国内でほぼ唯一伸びている市場なのに、もう成熟で限界なのでしょうか。日経にはそういう観点にもスポットを当てて欲しい。(2012/12/06)

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「通信「三国志」の奇妙な符合」の著者

小板橋太郎

小板橋太郎(こいたばし・たろう)

前日経ビジネス編集委員兼副編集長

1991年立教大学文学部史学科卒、日本経済新聞社入社。整理部、社会部、産業部などを経て2011年から日経ビジネス編集委員。現在は日本経済新聞社企画報道部デスク

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

NTTからして国内市場を見限ってしまっているわけで、規制当局はこの現状をきっちり再認識しないといけないでしょ。電話時代の規制を引きずって、誰も喜ばない制度を延々と続けていてどうするんですか。国内でほぼ唯一伸びている市場なのに、もう成熟で限界なのでしょうか。日経にはそういう観点にもスポットを当てて欲しい。(2012/12/06)

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