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「ガラパゴス化」の過ちを繰り返してはいけない

誰のためのスマートシティなのか(その1)

2012年12月19日(水)

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 スマートシティは、さまざまなイノベーションが重なりあって、初めて成り立つものです。これまでのイノベーションとは19世紀の自動車の発明や、20世紀のコンピュータの発明のように、一つのシステムとして完結することが多かったと言えます。

 これに対してスマートシティは、一つのシステムの中で完結するものではなく、一つのシステムを従来の部品のような位置づけとし、さまざまなシステムを結びつけ、まとめることで成り立つシステムです。このため、システムのシステムであるスマートシティの分野が、今後のイノベーションの塊になると予想しています。

 スマートシティについての話は、まず水から始めましょう。なぜ最初に水を取り上げるのかというと、日本は水に恵まれている国であるために、日本人の水に対する意識が他の国に比べて薄いからです。

水に対する日本人の希薄な意識

 私が在籍していた米IBMにおいて、隣の部屋にいた現在のグリーン・イノベーション部門のVP(副社長)が、1999年頃から水についての問題を強調していました。日本で水の問題として想像されるのは、ほぼ今でも治水についてではないでしょうか。

 例えば、洪水の危険がある河川の周囲の地域において洪水を防ぐための貯水池を設けて、増水時には水門などを最適に制御し、その貯水池に水を貯めておくといったようなことです。増水時を過ぎれば、貯めた水をそのまま流します。

 日本の水の状況を知りたがった同氏と話をした際に、こうした状況に驚かれてしまいました。汚染されていない水をそのまま捨ててしまうなんて、もったいないと言うのです。

 東京の目黒周辺の状況を説明したので、中目黒など洪水による浸水で悩まされてきた地域が、従来はいかに治水で困ってきたのか背景を説明しました。これに対して同氏の発想は飲み水どころか、生活用水まで不足している地域が、世界中に多く残されていることから出ているものでした。

 IBMでは、スマートシティの構想より前から、こうした都市が抱える問題に向き合ってきました。水という言葉が指すのは、飲料水はもちろん、食料用水、家庭用水、食生活の変化、水道の普及率、下水の処理、水に関わる公衆衛生などと幅広いもので、日本人より多くの問題意識が含まれています。

 水の問題を捉える時に、例えば食生活の変化まで含む理由は、食生活が変わることによって、さまざまな影響が出てくるからです。中国や新興国において、経済の成長に伴ってそれまでなかった牛肉を多く食べる習慣が根付いていくと、食事中の飲み物としてワインや牛乳などが新たに加わってくるでしょう。飲料水を飲む量や、調理や洗浄、そのほかに使われる水の量まで増えていくはずです。

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「「ガラパゴス化」の過ちを繰り返してはいけない」の著者

田中 芳夫

田中 芳夫(たなか・よしお)

東京理科大学大学院教授

産ー官ー学での経験をもとに、これからの人たちと価値づくりを一緒に考えていきたい。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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