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経済成長が見込めない現実に向き合おう

誰のためのスマートシティなのか(その2)

2012年12月26日(水)

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 今回は、EU(欧州連合)によるスマートシティ関連の構想「Cities of tomorrow」から、欧州におけるスマートシティの発想や今後のカギとなるポイントを探ってみましょう。

 まず、欧州では日本と同じように人口が減っていく傾向にあります。そして、都市部に人口が集中し、都市部が拡大する方向に進んでいます。これによって、交通渋滞などの課題が生じています。

 移民が多いことも大きな課題です。当初は低所得者層に位置していた移民の層が、今後、経済的に中流層まで上がってきた時に、元々の中流層の生活が脅かされ、人種や階層間での敵対関係に発展しかねないといった問題を抱えています。こうした次世代の街の課題を解いていくために実施されるのが、欧州における都市の開発です。

 しかも、情報通信技術の応用やスマートシティ化が進んでいった時には、所得の格差がさらに広がってくると予想されています。こうした課題を行政側と一緒に解決していく企業が必要になっています。

「持続的な成長は望めない」ことを自覚する欧州

 街における暮らしが便利になることは、社会的な脱落者が生じる要因にもなります。現在の日本でもニートの増加など、社会全体が便利・快適で、裕福になったが故に生じている課題があります。こうした社会的な課題を解決に導いていくのが、本来のスマートシティの考え方です。

 Cities of tomorrowには、欧州の弱点や課題が明確に示されています。特に感心したのは、欧州では今後、持続的な成長を望むことができないと断言していることです。日本では、いつまでも経済が成長し、GDP(国内総生産)が増え続けるという発想を捨てきれていません。欧州のように現実に向き合わないと、正しい施策を取ることができないでしょう。

 日本には、経済成長原理主義者とでも呼ぶことができそうな、経済規模やGDPが伸び続けるという幻想を抱いている方々が多いです。このため難しいかもしれませんが、現実と正面から向き合うべきです。

 欧州の場合、移民が増える一方で、人口は減っていくと予想しています。日本も同じように、人口は減っていきます。人口を減らしながらGDPを増やしていくには、外部からの富の移動、または新しい仕組みが必要になります。

 こうした社会で確立された仕組みを輸出しようとしても、うまくいかないでしょう。どの国も、それぞれ自国の利益や発展を第一に考えるからです。

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「経済成長が見込めない現実に向き合おう」の著者

田中 芳夫

田中 芳夫(たなか・よしお)

東京理科大学大学院教授

産ー官ー学での経験をもとに、これからの人たちと価値づくりを一緒に考えていきたい。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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