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求められる「選挙モード」から「実戦モード」への切り替え

政権復帰の経済学(1)

2012年12月26日(水)

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 衆議院選挙は自民党の大勝に終わり、安倍自民党総裁を総理とする自民・公明の連立政権が誕生することが確実となった。経済的には、これを受けてどんな経済政策が展開されるかが大変注目される。

 言うまでもなく、日本経済は、景気の悪化、デフレの持続、財政赤字の深刻化、基礎的成長力の低下、グローバル化への対応の遅れ、少子高齢化の進展など列挙するのが嫌になるほど多くの課題が目白押しである。ここで対応を誤れば、混迷はますます深まるだろう。経済政策をどう方向付けるかは誠に重要なのだ。総選挙後の経済政策の課題について考えてみよう。

「選挙モード」から「実戦モード」へ

 重要なことは「選挙モード」から「実戦モード」への切り替えだ。選挙戦を戦っている時は、どうしても選挙民の誰かが批判しそうなことは言いづらく、誰もが喜びそうなことしか言わない。しかし、誰もが喜び、かつ経済が良くなり、かつまだ実行されていない政策というのはほとんどないだろう。そんな政策があればとっくに実行されているはずだからだ。ということは、選挙中に盛んに喧伝された、みんなが得をするような政策には何らかの問題が隠されている場合が多いということになる。

 選挙に大勝したという勢いで、選挙モードのまま実戦モードに突入してしまうと、この隠れていた問題点が顕在化し、経済はかえって混乱し、大勝した政党は急速に支持率を失っていく。これをここでは「選挙モードの罠」と呼ぶことにしよう。

 2009年の民主党の政権交代の失敗の一つの原因は、この「選挙モードの罠」に陥ったことにあると私は考えている。民主党の場合は具体的には二つの罠に陥ったと言えそうだ。

 一つは、財源の罠だ。民主党はマニフェストで、子ども手当の支給、高校の無償化、ガソリン税の廃止、高速道路の無料化などを公約した。その所要金額は平成25年度までで16.8兆円とされたが、その財源は無駄の削減、埋蔵金の活用などで賄えるとした。

 つまり、国民は負担なしに恩恵だけを受けられるような約束を行ったわけだ。そしてその選挙モードのままで実戦モードに入っていたため、約束したことをそのまま実行しようとし、財源の手当てがつかなかったので、結局は赤字国債に頼ることとなってしまった。

 もう一つは「政治主導の罠」だ。民主党のマニフェストでは政権構想の5原則の第1番目に「官僚丸投げの政治から、政権党が責任を持つ政治主導の政治へ」を挙げ、これをそのまま実行しようとした。しかし現実は、政治家が役所に入り込んで、本来であれば役人に任せればいいことまでやろうとして大失敗に陥った。

コメント11件コメント/レビュー

>この一文で論点ずらしてますね。エンゲル係数って言葉知らないんでしょうね。■筆者の説明不足もあるとは思いますが、本記事が「連載」である以上、筆者が過去の記事において「低所得層へは軽減税率ではなく還付等で負担減をはかるべき」との意を記述されていたことをコメント者には知ってほしいと思います。(2013/01/16)

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「求められる「選挙モード」から「実戦モード」への切り替え」の著者

小峰 隆夫

小峰 隆夫(こみね・たかお)

法政大学大学院政策創造研究科教授

日本経済研究センター理事・研究顧問。1947年生まれ。69年東京大学経済学部卒業、同年経済企画庁入庁。2003年から同大学に移り、08年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

>この一文で論点ずらしてますね。エンゲル係数って言葉知らないんでしょうね。■筆者の説明不足もあるとは思いますが、本記事が「連載」である以上、筆者が過去の記事において「低所得層へは軽減税率ではなく還付等で負担減をはかるべき」との意を記述されていたことをコメント者には知ってほしいと思います。(2013/01/16)

大方の趣旨には共感する面があります。財政の破綻危機は近いのにマスコミは十分に国民が理解できる様な報道をしていない感があります。エコノミストなる方々の「俺の賢い考え」をひけらかす姿勢しか覗えません。暇な非難などしている場合ではなく実効性ある対策を組み立て其々が機能するかしないかを継続的視線で監視する報道が継続してなされるよべき。経済の実行担い手である中間層以下の力を萎えさせる事を「賢く物事がよく見通せる」学者さんエコノミストさん達とマスコミ関係者は認識して下さい。私を含め一般人はもう守りと逃げの姿勢に入っています。でも本当は変化と挑戦、社会への働きかけが必要なのでしょうね。ちなみに軽減税率の筆者の考え方は安易と思う、最も重要なのは低所得者のまともな食事を妨げないことだ。これは必要食料経済であって、金持ちが贅沢食事するのは余剰経済である。(2012/12/29)

私も軽減税率には反対です。下から二つ目のコメントに「 現実問題として標準税率が25%になり、高級外車もお米や牛乳も消費税25%な社会を庶民は受け入れるだろうか?」と疑問提起されていますが、スウェーデンでは、何でも一律25%の消費税です(それも内税)。税制はとにかく「簡素」に、「薄く広く」があるべき姿です。品目や条件によって税率を変えたり、控除額を変える複雑な制度にするほど、所得官庁の事務コストが膨れ上がります。その点では90%が対象となる児童手当に所得制限を入れているのもバカな話。10%の家庭への支給制限効果より、コストの方がかかっているのではないか。なお食品の値上げ抑制のためには、消費税率を抑えるのではなく、関税の低減・撤廃をすべきだと考えます。贅沢食品ではなく、基本的な乳製品やジャガイモ等に非常に高額の関税がかかっており、これを撤廃すれば(国内生産者には打撃でしょうが)消費者にとっては、非常にメリットあります。そのうえで生産者には所得補償をすればよい。新政権では、とにかく簡素でかつ公平感ある税制に改訂してもらいたい。(2012/12/27)

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