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ユーロ圏債務問題は数年続く

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2013年1月10日(木)

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ECBが昨年、周辺国の国債の購入を約束して以降、欧州債務危機は沈静化したかに見える。周辺国は緊縮政策を必死に進めているが、成長戦略はなく、域内の南北格差は開くばかりだ。2013年にユーロが崩壊するリスクは下がっているが、解決にはまだ数年はかかるだろう。

 昨夏、ギリシャのユーロ圏離脱はもはや不可避かに見え、スペインとイタリアでは借り入れコストが未踏の領域に達し、持続不能な水準にまで上昇した。その後、ユーロ圏が直面するリスクは低下し、金融市場の緊張も緩和したが、周辺国の経済情勢は依然として予断を許さない。

重要だったドイツの態度の変化

 リスクが低下した要因は複数ある。まず、欧州中央銀行(ECB)が9月に打ち出した周辺国の国債を無制限に買い入れる政策「OMT*1」が信じ難い効果を上げた。同政策の発表で、OMTによる国債購入が実施される前から、それまでドイツの国債金利を大幅に上回っていたイタリア及びスペインの国債金利は2.5%も下がった。

*1=Outright Monetary Transactionsの略

 財政難に陥ったユーロ圏諸国を金融支援する常設の安全網である欧州安定メカニズム(ESM)が10月に正式に発足し、新規融資額が5000億ユーロ(約49兆円)に拡大したことも寄与した。

 また、欧州の指導者が通貨同盟だけでは不安定かつ不完全であり、銀行及び財政、経済、政治といった分野でもさらに同盟関係を深めることが不可欠だと認識したことも大きかった。

 しかし、恐らく最も重要なのは、ユーロ圏全体、特にギリシャに対するドイツの態度が変化したことだ。

 ユーロ圏諸国は広範にわたって貿易や金融面で結びついているため、混乱が発生すると、周辺国だけなく中核国にも打撃を与えることをドイツ当局者が理解するに至ったのだ。彼らはギリシャがユーロ圏から離脱する可能性について公的な見解を出すことを控え、第3次救済策への支持を表明した。

 スペインとイタリアの情勢が安定しないままギリシャが破綻すれば、今秋行われるドイツの選挙前にユーロ圏中核国にまで深刻な影響が及び、アンゲラ・メルケル首相の再選を危うくしかねない。従ってドイツは当面、ギリシャへの金融支援を続ける公算が大きい。

 とはいえ、ユーロ圏周辺国に景気回復の兆しはない。緊縮財政の続行と行きすぎたユーロ高、銀行の資本不足に伴う貸し渋りといった逆風が重なり、GDP(国内総生産)は縮小し続けている。企業や消費者の信頼感の冷え込みも景気の悪化に拍車をかけている。

 しかも、周辺国の景気減速は今やユーロ圏中核国にも及び、フランスでは生産が落ち込み、ドイツでさえ最大の輸出先であるユーロ圏及び中国・アジア地域の不振*2が響き、成長が足踏みし始めている。

*2=ユーロ圏はマイナス成長、中国をはじめとするアジアも成長が減速しつつある

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