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日本人による日本人のための議論から抜け出そう

誰のためのスマートシティなのか(その3)

2013年1月11日(金)

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 昨年、EU(欧州連合)が仏ニースで主催した、都市の未来を議論する会議「Innovative City Convention」に参加しました。世界中から講師を含めて約2000人が集まり、都市問題を議論する場でした。

 会議のメーンの参加者は、欧州のさまざまな都市の市長です。そして、「スマートシティを世界に売り込む」と主張している日本企業からの参加者はゼロでした。日本人は、講演した私を含めて2人だけです。

 このような状況を放置しておいて、スマートシティを世界に売り込んでいくと主張すること自体、不思議なことです。世界のメーンプレーヤーでないことを自覚しない限り、事業として成功するのは難しいでしょう。少なくとも、こうした世界の都市の関係者が集まる場所に参加し、スマートシティについての議論に触れた方が良いように感じました。

 また、横浜で昨年秋に開催された「Smart City Week 2012」でも、同じように残念に感じた面があります。日本人による、日本人のためのスマートシティの議論や展示の構成になっていたように感じられたことです。

 日本企業が世界で勝負しないことに対して、なぜ私が残念に感じるのか。それは、日本の市場は人口が減る以上、どの分野でも小さくなっていくからです。ある規模以上の企業であれば、海外に打って出ていく必要があるはずなのです。実際に、経営者はそのように発信されています。

 Innovative City Conventionにおける議論は、低い所得や低い教育レベルの市民をどのように落伍させないかという、欧州都市の最大の課題がやはり中心となりました。

 日本流のスマートシティのように便利さや快適さ、オール電化ハウスや電力・エネルギーばかりが強調されるのとは、かなり違います。技術からではなく、ニーズ視点から発想しているスマートシティであることが伝わってきます。ユーザーは利用面・ソフト面からのアプローチを求めているはずです。

 街をどのように運営していくのか、国をどのような姿にしていくのか。予想される課題に対して、こうした視点で政策的に解決していくための議論が展開されています。おそらくスマートシティは、このようなレベルで構想していかないと、取り組むことができないものでしょう。

埋もれた技術を被災地で生かす

 日本における新たな取り組みとして、産業技術総合研究所(産総研)の例を紹介します。それまで、さまざまな技術を抱えていながら、生かしきれてこなかったように見えた産総研ですが、今回、気仙沼などの被災地における「絆プロジェクト」の中で活発に活動しています。

「田中芳夫の技術と経営の接点・視点」のバックナンバー

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「日本人による日本人のための議論から抜け出そう」の著者

田中 芳夫

田中 芳夫(たなか・よしお)

東京理科大学大学院教授

産ー官ー学での経験をもとに、これからの人たちと価値づくりを一緒に考えていきたい。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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