• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「サムスンを変えたロイヤリティープログラム」

  • 深田 浩嗣

バックナンバー

2013年1月22日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 ゲーミフィケーションの目的は、製品・サービスに対する顧客のロイヤリティー(忠誠心)を高め、長期的な関係を構築することにあります。今回は顧客ロイヤリティーを高める仕組みについて、まずは全日本空輸(ANA)のポイントプログラム「ANAプレミアムメンバーサービス」を例にご説明したいと思います。

 ANAは飛行機の利用や提携先のクレジットカードを使った買い物などで「マイル」が貯まるマイレージプログラムとは別に、搭乗クラスや運賃、路線などに基づいて計算される「プレミアムポイント」と呼ばれるポイントプログラムを用意しています。毎年1月から12月までの1年間に獲得したプレミアムポイント数が一定数に達すると、ポイント数に応じて「ブロンズ」や「プラチナ」、「ダイヤモンド」などのプレミアムメンバーに認定され、専用ラウンジの利用や優先搭乗などの様々な特典が受けられるようになります。

 マイレージプログラムでは飛行機に乗らずに買い物によってマイルを貯める「陸(おか)マイラー」と呼ばれる人々がいますが、ANAのプレミアムポイントを獲得するには、実際にANAや提携先の飛行機を利用しなければなりません。しかも、最もランクの低いメンバー区分である「ブロンズ」でさえ、認定されるには3万プレミアムポイント以上が必要になります。これは実はかなり大変な数字で、年に2~3回海外に出かけるというような使い方で達成することはできません。

 テレビゲームの世界の言葉を用いるなら、換金性の高いマイルはゲーム内で様々なアイテムの購入に使われる「ゴールド」に、プレミアムポイントはそれまで使うことのできなかった技が使えるようになる「経験値」に例えることができます。ANAがどの程度意識していたかは分かりませんが、同社のポイントプログラムの仕組みはまさにゲーミフィケーションそのものです。

ANAのプレミアムメンバーサービスの紹介サイト

 プレミアムポイントの計算式には、運行区間の基本マイレージのほかに、搭乗クラスや運賃、路線などの様々なパラメーター(変数)が含まれています。例えば国内線の方が国際線よりもポイントが貯まりやすいといった傾向があり、利用者は1年間で目標とするポイントを獲得するために、通常は新幹線を使う目的地への交通手段を飛行機に変えてみるなど、様々な工夫を凝らすことができます。

「プレミアム感が顧客を熱中させる」

 ANAのウェブサイトではプレミアムポイントの計算式が詳しく説明されていて、利用者が目標を達成するにはどんな飛行機の乗り方をすればいいのかを判断するための材料が十分に提供されています。これはとても重要なポイントで、もし目標達成のために何をやればいいのかわからない環境では、利用者のモチベーションは持続しません。

 ANAのプレミアムメンバーに認定されると、換金性の高いマイルがより貯まりやすくなるほか、メンバー区分に応じた条件で優先搭乗を受けられたり、専用ラウンジが利用できたりするようになります。こうした特典の金銭的価値はそれほど高くありませんが、プレミアムメンバーしか味わえないステータス感が顧客を満足させ、翌年の1年間もANAを使い続けようと動機付ける仕組みになっているのです。

 実際、インターネット上のQ&A(質問・回答)サイトには、どうすればプレミアムポイントをより効率的に稼げるのかという質問と回答が数多く投稿されています。これはテレビゲームの参加者が攻略法を教えあうのと非常によく似ています。

 単にマイルが稼げるから「どうせ利用するのなら同じ航空会社を使い続けよう」というだけでは、ここまで利用者が熱中することはないでしょう。マイレージプログラムとはまったく別のポイントプログラムを用意することで、ANAは顧客ロイヤリティーを高めることに成功しているのです。

コメント0

「ゲーミフィケーション~秘めた実力」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

トランプ政権のここまでの動きはスロー。

ジョセフ・ナイ 米ハーバード大学特別功労教授