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人種・性別・障害を越えて行こう!

ダイバーシティなくして、イノベーションなし(第1回)

2013年1月25日(金)

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 今回は、イノベーションの源となる、ダイバーシティ(diversity)について考えていきます。ダイバーシティとは、多様性を指します。社会や企業において、人種や性別、国籍、年齢などを問わずに人材を活用することで、社会や事業を巡る環境の変化に柔軟、迅速に対応できるようにすることです。ここでは当然考えなくてはいけないグローバル対応も一緒に考えて行きます。

 日本において、イノベーションが生まれづらいと感じられる理由は、ダイバーシティに乏しく、単一の価値観に基づいたモノカルチャーな社会が占める割合が高いからでしょう。大学を卒業後の22~60歳の男性によって、社会のさまざまな仕組みが定められ、システムが設計され、製品が作られ、売り方も生み出され、さらに、自前で製造され、販売されるというのが、日本の社会です。

 イノベーションは全く違った発想から生まれるものであり、現在の延長線のものではありません。延長線で可能なのは、日本が得意としてきた改善の領域でしょう。これでは、保守的な仕組みになりがちで、イノベーションは生まれづらいでしょう。

 これに対して、米国の企業に所属してきた私の経験から、米国には、意識しなくてもダイバーシティが染み込んだ環境がありました。例えば、私が勤めていた米IBMでは、人種や性別、宗教などを交えた話をした途端に、差別を指摘されるのです。このことは一企業の意識でなく、社会全体の意識になっています。

 日本の企業の場合、女性の従業員に対して、「女の子」などという呼び方を平気でしていたり、多くの企業で、外国人の従業員を受け入れないような状況にあります。外国人については、在日韓国・朝鮮人の方々は多く雇用されていますが、元々、日本で暮らしている在日の方々の場合でも、何かバリアーがあるように感じます。

 こうした状況を続けていると、今後、このまま日本からはイノベーションが生まれないという懸念があるのです。

 さまざまな国におけるイノベーションを見ていると、人種の差、性別の差、障害の有無を越えて、さまざまな人材が混ざりあって活動している社会だからこそ、生まれています。そのような状況で、ほぼ単一の属性の人材が、自分たちの固定観念に偏りがちな価値観に基づく製品を、ダイバーシティが前提の社会に売り込んでも、成功するのは難しいでしょう。

 前回、紹介したスマートシティへの取り組みでも指摘しましたが、日本の特殊な社会に合わせて作りだした、“日本のスマートシティ”を輸出したいという発想は、間違っています。明らかに偏った発想です。さまざまな分野の技術者も同様で、固定された価値観に基づく狭い世界に向けた発想をしていると感じる場合が多いのです。

 こうした発想の違いは、これまでも指摘されてきました。それでも変わってこなかった日本において、今後、どうすべきなのでしょうか。やはり、多様性があってこそ、イノベーションが生まれてきます。このために、日本でもグローバル化に始まり、さまざまな要素から、多様化していく必要があります。

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「人種・性別・障害を越えて行こう!」の著者

田中 芳夫

田中 芳夫(たなか・よしお)

東京理科大学大学院教授

産ー官ー学での経験をもとに、これからの人たちと価値づくりを一緒に考えていきたい。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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