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問題は英語ではない、経営者の発想こそ大切

ダイバーシティなくして、イノベーションなし(第3回)

2013年2月8日(金)

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とにかく経営者は“感覚”を変えろ

 企業がダイバーシティに向き合う場合、多様な従業員を重荷と感じて義務的に採用しているのか、それとも社会のニーズをくみ取って戦力として活用しているのかによって、その成果に大きな違いが出てくるでしょう。

 いち早く活用すべきなのは、女性と障害者です。障害者の場合、ITの分野では、ハンディキャップではなく、強みになる場合があります。障害があるが故に、他の感覚が研ぎすまされ、優れたソフトウエアを作製する例があるのです。

 そして、ダイバーシティに取り組むには、まず、経営者の感覚が変わらないことには始まりません。ダイバーシティやグローバル化の話題に対して、多くの場合、英語の問題が指摘されます。しかし、日本においては英語の問題よりも、経営者の発想の方が大きな問題です。もはやダイバーシティはCSR(企業の社会的責任)の問題ではなく、企業戦略の中心であるべきです。

 欧州などは、ダイバーシティが進みすぎて、サッカーの試合を見ていても、英国やフランスなど、黒人の選手の比率の方が多い時もあるくらい、社会に溶け込んでいます。生まれた時から、または幼少の時から、現地の社会で暮らしている選手たちです。

 これに対して日本の場合、サッカーでも、ブラジルから日本に移籍してきた選手が帰化した場合を除くと、ほぼ日本人だけで国の代表チームが構成されています。このように、日本では意図的にダイバーシティに向き合う環境を作らない限り実現できないため、経営者の意識が重要になってくるのです。

 そのような中、経済同友会による経営者の行動宣言として、「2020年までに女性の取締役を実現します」「一地域の拠点における女性の比率を30%まで高めます」など、ダイバーシティに関わる内容が盛り込まれており、少しずつ変わっていくことを期待しています。

 「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の導入」は世界で生きていくため、そしてグロバライゼーションのためにも必要です。しかし、その導入が実現した結果、海外の企業から日本の市場を攻められた時に、ダイバーシティのような、自社の足元で取り組むべき課題を解消していなければ、競争力の低下に歯止めがかからなくなる恐れがあります。

 そして、大学の教育にも、男性主体の視点で確立されてきたという課題があります。東京理科大学で唯一、男性主体でないと感じるのは、女性の多い薬学部です。工学部など、男性の比率が大半を占めている学部との間で、人数のバランスをとる必要があるかもしれません。経営学博士(MBA)や技術経営(MOT)など、専門職向けの大学院でも同じような状況で、男性の比率が大半を占めています。

 わたしは、東京理科大学のMOTのコースに女性を増やすことを模索しています。まずは、特別枠を用意してでも、数を増やしていかないと始まらないと感じています。女性に増えてほしい理由は、もちろん多様性の確保です。例えば、女性の視点が入ると、研究会における議論の質が変わってくるのです。さらに、できれば、障害者の方にも参加してもらいたいと思っています。

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「問題は英語ではない、経営者の発想こそ大切」の著者

田中 芳夫

田中 芳夫(たなか・よしお)

東京理科大学大学院教授

産ー官ー学での経験をもとに、これからの人たちと価値づくりを一緒に考えていきたい。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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