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文字通り星が降る夜に

2013年1月24日(木)

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 世の中は本当に油断がならないのであって、空からはたびたび色んなものが落ちてくる。

 それはオタマジャクシであったり、カエルであったり、飛行機の部品であったり、老朽化した人工衛星であったり、衛星と称するミサイル実は実質的に差はないであったり、はたまた、エンゼルヘアーであったり、スカイドンだったり、伊勢神宮の御札だったり、マンガ家が破ったボツ原稿だったりする。

 中世ヨーロッパにおいては、気をつけないと糞尿も窓から降ってきた。
 映画や2時間ドラマを見ていると、人もまた変な格好でよく落ちてくる。いや、現実の都会でも巻き添えを食う痛ましい事故があったりするので、しゃれにならない話だ。

 色んな落下物の中でも、もっともスケールの大きなものは星であろう。

 1月20日午前2時50分過ぎ、ツイッターのタイムラインには「謎の爆発音」「謎の閃光」の文字が躍った。つぶやきの主はおもに茨城・千葉・埼玉方面の方々だった。

 いったい、地震にしても、他の突発的な何かにしても、まず知るのはツイッター……ということに、ここ数年来なっている。ここであらためて311以降のことを振り返るには、このコラムはあまりにもふざけすぎているので自粛するが、いまでも夜中に弱震や中震が起きると、まるで家具の隙間に殺虫剤を噴霧した直後のゴキブリみたいに、わらわらとマンガ家がTL上に湧いて出てくる。

 とはいえ、こうした拡散には誤情報や、誤解や、ときには悪意が含まれていることもあるので、しばらくは様子眺めに入る。すると、まもなくおなじみのまとめサイトでスレッドが作られ、それらのツイートと公的に手に入る観測データなどを参考に、私のTLに棲息する科学畑やSFの人たちが、状況の類推分析を開始した(ちなみに後者の人たちにも、よくわかった上でとんでもない冗談を混ぜる人たちが多数含まれているので、取り扱いには注意が必要だ)。

 1時間後には、発光物はおそらく隕石、というか火球であり、爆発音はその衝撃波によるものだろう、という、だいたいの見解が出そろった。

 隕石。
 なんという心躍るタームであろうか。
 インセキ、という響きだけで、少なくとも私は興奮を抑えることができない。

 自分の中には隕石の原風景、とでもいうべき映像が確としてある。
 もちろん、本物ではない。
 空想特撮ドラマ「ウルトラQ」に登場する「ガラダマ」がそれだ。

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「文字通り星が降る夜に」の著者

とり・みき

とり・みき(とりみき)

マンガ家

熊本県出身。ギャグマンガをメインにしながら、エッセイコミックやストーリー物も手がける。94年『DAI-HONYA』98年『SF大将』で星雲賞、95年『遠くへいきたい』で文春漫画賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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