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「中国だけは勘弁して」

システム開発でも進むASEANシフト

2013年1月29日(火)

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 「中国ではなく、ベトナムで開発できないか」――。国内大手IT企業によると、システム開発をコストの安い海外で手がけるオフショア開発で、中国以外の国を指名する顧客が増えているという。尖閣問題による日中関係の緊張が続いていることを受けた動きだ。

 実は、国内IT企業のオフショア開発に占める中国への委託比率は、7~9割にも上る。IT企業各社はいずれも、「中国での開発比率が高すぎる」という課題を認識していながらも、なかなか中国偏重の問題を解決できなかったのが実情だ。同じ漢字圏であるため日本語習得が速い、日本向けのシステム開発受託の歴史が長い企業が多くノウハウが蓄積されている、地理的に近いなどがその理由である。

 さらに、2012年9月に、中国で反日暴動がピークに達した際も、中国各地のシステム開発拠点では、中国人従業員による暴動や就業拒否などはなく、開発業務に特に支障はなかったとされる。このため、暴動が発生した2012年9月以降も、「オフショア開発の戦略に大きな変更はない」と、IT企業各社は口をそろえていた。

 だが、ここへきて状況が変わりつつある。背景は二つ。一つが、冒頭で紹介したように、肝心の顧客の間から、ベトナムなど中国以外の国でのシステム開発を要望する声が出始めたこと。もう一つがIT企業の経営層から現場へ、中国の比率を下げるリスク分散の指示が出始めたことだ。

 事業リスクに敏感な顧客企業に引きずられて、変わり始めたIT企業のオフショア戦略。中国偏重という積年の課題を解決できるか、各社のリスク感度の高さが今後試される。

ベトナム、ミャンマー、バングラデシュへ

 「ベトナムでの開発レベルの向上と、新たな開発拠点を作るための国を本格的に探し始めた」。日立製作所の加賀田美朗 調達本部担当本部長はこう打ち明ける。日立におけるオフショア開発の主な委託先は、中国とインド、ベトナムだ。ただ、それぞれの国への委託比率は、中国が約7割と突出。インドは約14%、ベトナムは約9%に過ぎない。

 中国で年々、人件費の上昇が続いていることに加え、尖閣問題の長期化を受け経営層から、「開発先のリスク分散を考えるように」という新たな方針が出されたという。中国への発注比率を中長期で下げていくため、ベトナムでの開発体制のテコ入れと、新たな発注先の開拓に向けミャンマーなど複数のASEAN諸国での調査を本格化させている。

 ベトナムやミャンマー、バングラデシュに着目するのがNTTデータだ。同社も中国への委託がオフショア開発のメインで、中国への委託比率は大手の中で最も高く、約9割に上る。

 「さすがに9割という比率は中国に集中し過ぎ。事業リスクだけでなく、足元の人件費上昇も懸念材料」(NTTデータの小林義幸 統括部長)。この問題意識から実際に急激に変化しているのがベトナムへのオフショア開発の発注量。2012年度はベトナムへの発注量が、2011年度比で5倍に伸びているという。

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「「中国だけは勘弁して」」の著者

宗像 誠之

宗像 誠之(むなかた・せいじ)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日本経済新聞社産業部、日経コンピュータを経て、2013年1月から日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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