• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

小さなIT先進国の野望

ネット企業誘致に沸くルクセンブルク

2013年1月31日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 人口約50万人、神奈川県ほどの面積の小さな国に、近年、米アマゾン・ドット・コムや楽天など世界のインターネット大手が相次いで欧州本社機能を開設し、注目を集めている。

 その国はルクセンブルク。第二次大戦後、鉄鋼業や金融業などで発展したこの国は現在、ネット産業を積極的に誘致することで高い成長力を維持している。OECD(経済協力開発機構)加盟国の中で1人当たり名目GDP(国内総生産)は長年にわたりトップの座を守っている。

 日本の自治体に例えるなら、政令指定都市の条件(人口50万人以上)にどうにか達する規模の小国がなぜ、アマゾンのような多国籍企業をひきつけるのか。こんな疑問を持ってルクセンブルクで企業誘致を担当するフランソワ・ビルチェン通信・メディア担当相に話を聞きに行くと、「小国だからこそできる取組みは多い」と強調した。

ルクセンブルクのフランソワ・ビルチェン通信・メディア担当相、写真:都築雅人

 ルクセンブルクがeコマース(電子商取引)をはじめとするネット関連企業の誘致に力を入れ始めたのは2000年。それから10年以上にわたり、政府の主導によって高速通信網やデータセンターへ積極的に投資し、最先端のIT(情報技術)インフラを構築してきた。データセンターの利用環境は、すでに世界で5番目の水準。毎秒100メガビットのネット接続環境を、早期に10倍の毎秒1ギガビットに引き上げて「欧州最高のネット接続環境を実現する」(ビルチェン氏)のが現在の目標だ。

 ルクセンブルクにはもともと、ネット分野の有力企業が存在しなかったことも、グローバルに活動するネット企業の誘致を推進するうえでは好都合だった。欧州の他の国々と異なり、国内にあるネット企業への打撃をあまり気にせずに、海外企業の誘致に専念できたためだ。

企業規模を問わず誘致

 今でこそ、アマゾンなどネット大手の進出によって注目を集めているものの、ルクセンブルク政府は誘致する企業の規模にこだわっているわけではない。創業間もないベンチャー企業を支援するため、ルクセンブルクでは政府が出資するベンチャーキャピタル(VC)などが活動しており、海外から進出してきたベンチャー企業にもリスクマネーを供給する仕組みができあがっている。

 例えば無料通話ソフト「スカイプ」を生んだスカイプ・テクノロジーズ(現在は米マイクロソフトの1部門)も、ルクセンブルク政府のベンチャー支援制度を活用して、同国で成長を遂げたネット企業の1つだ。ここ2年はゲーム分野のベンチャー企業の進出が相次ぐなど、誘致企業の傾向は変化しつつあり、ルクセンブルク政府は進出企業の動向を見極めながら、適切な施策を打ち出していく、としている。

 小国ならではの柔軟な行政サービスも、外国からの企業進出を後押ししている。ルクセンブルクでは外国企業に対し、駐在員の就労ビザを取得しやすいルールを設けるなど、実務面での負担軽減にもきめ細かく配慮している。ルクセンブルクでは政府関係者が全員、企業誘致の窓口となっており、ビルチェン氏は「どの政府関係者に問い合わせてもらっても、適切な担当者に取り次ぐことができる」と、自国のサービスに自信を見せる。

コメント0

「記者の眼」のバックナンバー

一覧

「小さなIT先進国の野望」の著者

白石 武志

白石 武志(しらいし・たけし)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社編集局産業部(機械グループ)、京都支社、産業部(通信グループ、経営グループ)を経て、2011年から日経ビジネス編集部。現在は通信、半導体、家電業界などを担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

企業や官公庁の幹部のメールボックスの内容が、まるごと数十万〜数百万円で売られている事例もある。

名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官