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「よりによってこんなときに!」

2013年1月31日(木)

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 電気製品というのはなぜか申し合わせたようにある日いっせいに壊れる。

 これをして人は、やれ磁気のせいだとか、気圧のせいだとか、ある特定個人のカンシャクや呪いのせいだとか、家に巣くう謎の妖精のせいだとかにしたがるのだが、実際のところは、ほぼ同時期……たとえば引っ越しとか結婚とかを機に買いそろえた家電の耐用年数が、そろってやってきた、というようなことなのだろう。

 事実、数年前に、エアコンと冷蔵庫と洗濯機という、いわゆる白物家電が、そんなに律儀でなくてもと思うくらい、同じ週に壊れた。

 まるでこいつらは、生物学でいうアポトーシスをプログラミングされているのではないか、と疑いたくなるくらいだったが、いっぽう3階のオーディオ&ビデオ機器方面においても「○○○タイマー」(伏せ字には適当なメーカー名を入れてください)などと呼ばれる自己破壊システム疑惑は昔から取りざたされていた。壊れていないときの強い信頼度の裏返しからできた都市伝説だろう、とは思うが。

 どこの3階だ。

 家電と比べるとパソコン業界は、さらにサイクルが早い。
 なにせこちらはおなじみのドッグイヤーで、やらなくてもいい革新が行われていくせっかちな世界なので、壊れる以前にどんどん規格が古くなっていく。

 ケータイやスマホやタブレット型PCなどでも、好きな人は壊れてもいないのにどんどん新しい物に乗り換えていく。試しては「やっぱだめだった」などといってすぐに新機種にチャレンジする。

 正直いうと、この風潮に、エア戦前生まれの私はいまだについていけない。
 いくら規格が古くなろうと、いま使っているものが壊れない限りは、新しい製品に買い換える気になかなかならないのだ。壊れてもとりあえず一度は修理に出す。

 しかし現実には修理代のほうが新製品を買うより高くついたり、もはや部品が生産されていなかったりするし、そうやって大事に使い続けても、あっというまに周辺機器は新しいOSには対応しなくなっていく。かつてあった美徳の終焉だ。

 閑話休題。

 昨年末に実はこの家電連鎖故障現象が起きた。

 「よりによってこんなときに!」 

 と、人はモノが壊れたときに必ず思うのである。
 偶然のシンクロニシティが続くと、なにか意味を求めたくなる。
 本当はいつ壊れても「こんなときに!」と思うはずなのだが。

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「「よりによってこんなときに!」」の著者

とり・みき

とり・みき(とりみき)

マンガ家

熊本県出身。ギャグマンガをメインにしながら、エッセイコミックやストーリー物も手がける。94年『DAI-HONYA』98年『SF大将』で星雲賞、95年『遠くへいきたい』で文春漫画賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官