• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

技術革新で変わる先進国の雇用

  • マイケル・スペンス

バックナンバー

2013年2月7日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

技術革新は、仕事に必要なスキルのレベルを押し上げ、雇用に格差をもたらす。同時に、世界のサプライチェーン構造も変質させ、各国の雇用に影響を及ぼしている。この新しい時代に適応するには、教育に投資し、労働モデルを調整する必要がある。

 様々な新技術の登場とグローバル化の進展が相まって、個人が選べる雇用の種類は大きく変わりつつある。これは先進国であっても、発展途上国であっても変わらないし、教育水準の高い人についても、低い人についても言えることだ。

 技術革新は、定型的な仕事を減らしているだけでなく、世界のサプライチェーンとネットワークをも変質させている。そのため多くの国では、コストのより低い他国に移管できるような産業における定型的な業務はもちろん、必要とされるスキルの水準が異なる様々な非定型的な業務についても、どんどん国外に移転しつつある。

雇用は停滞し、格差は拡大

 ではこの新しくて、かつ解決が難しい雇用問題、そして、こうした傾向に伴って顕在化しつつある所得と富の分配の問題に、先進国の政策立案者はどう対処すればよいのだろうか。

 様々な研究から最近、経済構造の進化が雇用にどう影響するかについて、興味深い事実が数多く判明している。

 先進国では海外に移管できるような産業の雇用は過去20年間、ほぼ増えてこなかった。雇用が創出されても、高所得・高学歴に偏っており、所得・学歴が中程度以下の人の雇用は減少してきたからだ。ハイエンドのサービス分野の雇用が拡大する一方で、雇用の多いサプライチェーンの一角を成す製造業の雇用は縮小している。

 2008年の金融危機前に、所得が中程度以下で拡大していた雇用と言えば、どれも海外への移転の利かない業種の仕事ばかりだった。先進国では、生産と雇用の約3分の2を海外への移転が利かない業種が占める。

 そうした業種では、被雇用者1人当たりの所得と付加価値はほぼ変化しなかった。技術の進歩によって雇用が減ることはあっても、それは国際競争の結果ではなかった。しかも、借金をしてでも消費するという持続不能な傾向によって国内需要が拡大、現在見られるような高失業率という事態は先送りされてきた。

 先進国では今、そのツケがきて定型的業務が急減。一方で、機械やネットワーク化されたコンピューターによって、置き換えたり減らしたりできない非定型的な業務が増加している。

 こうした動きは、20年以上前から教育と高水準のスキルに対する見返りを劇的に高める傾向や、その結果、国民総所得のうち資本を持つ者やハイエンドの被雇用者が得る所得の比率が高まるという傾向に拍車をかけている。

コメント0

「Project syndicate」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック