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深呼吸かカネか

中国大気汚染から考える都市競争力。東京は胸を張ろう

2013年2月4日(月)

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 東京タワーから撮影した下の写真を見て、何を考えるだろうか。

東京の住人には空気の綺麗さは実感しにくい

 昨年11月まで香港で暮らしていた記者がまず感じるのは、もちろん富士山の荘厳さもあるが、100キロメートル先の景色を望むことができる澄んだ空気のありがたさだ。東京の空気は綺麗である。

 中国の大気汚染が深刻になっている。北京では、直径2.5マイクロメートル以下の「PM2.5」と呼ばれる微小粒子状物質の大気中濃度が1立方メートルあたり500を超えることが常態化している。

 報道が多い北京ばかりが注目されるが、天津や上海や成都、西安など他の都市も酷い状況にある。世界保健機関(WHO)のPM2.5のガイドラインでは、一日の平均値25以下が健康に害のない水準。中国の主要都市でこれをクリアしているところはほとんどない。

 南部の広東省よりも、重化学工業が集まる北部の河北省や山東省などで汚染度が高いことを考えると、「主犯」とされる自動車の排ガスだけでなく、工場や暖房施設の石炭焚きという原因が考えられる。各種統計で昨年末から中国の製造業の回復傾向が見られるが、それも関係しているのかもしれない。

 「経済発展か、汚れていない空気か」--。

 リーマンショック後、香港でこんな議論が広がったことを覚えている。世界的に景気低迷が進む中、香港の大気汚染が明らかに改善したのだ。100万ドルの夜景はさらに映えた。

 隣接する広東省に広がる工場の稼働率が下がれば、原材料や製品を運ぶトラック、香港経由で世界に輸出する貨物船の活動が停滞する。それらが吐き出す汚染物質の量が激減したのが理由である。もちろん当時も今も中国大陸と比べれば香港の大気汚染はまだマシだが、言論の自由が保証されている香港市民、そして政府の環境への意識は高い。

 経済成長は多少犠牲にしても、生活環境、特に子供の健康を考えれば「今のままでもいいのではないか」という論調も少なからずあった。呼吸器疾患など健康被害が軽減すれば医療費の負担も下がるはずという合理的な判断もそこに含まれる。

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「深呼吸かカネか」の著者

熊野 信一郎

熊野 信一郎(くまの・しんいちろう)

日経ビジネス記者

1998年日経BP社入社。日経ビジネス編集部に配属され製造業や流通業などを担当。2007年より日経ビジネス香港支局に異動、アジアや中国に関連する企画を手がける。2011年11月に東京の編集部に戻る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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