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安倍政権の「大胆な金融緩和」は本物か?

政権公約のデフレ・円高対策の実現性を検証する

2013年2月6日(水)

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 今、日本は新政権の誕生で「政治」と「金融市場」の関係がこれまで以上に強まり、複雑化しています。さらに欧州の債務危機や米国の財政の崖、中国の新執行部選出など、政治と市場を巡る動きは、海外でも大きな焦点となっています。

 しかし、市場関係者がこの両者の関係を論じる場合、「アベノミクスで日本は変わる」など物事を極めて単純化した主張になりがちで、十分な分析がなされているとは言えません。そこで、このコラムでは政治と市場の関係について深く考察し、読者の皆様に分かりやすく解説していきます。

そもそも「大胆な金融緩和」とは?

 昨年11月の党首討論で野田佳彦首相(当時)が解散・総選挙を宣言して以来、株高・円安が大きく進みました。この理由として指摘されるのが、安倍晋三首相が掲げる「大胆な金融緩和」への期待感です。

 「大胆な金融緩和」→「円安」→「デフレ脱却」の経路で日本の構造問題が一気に解決、株式市場も長期上昇局面入り。単純化すればこういう図式で、株式に強気な方も増えてきましたが、そうした方に「『大胆な金融緩和』とは何ですか?」と尋ねてもはっきりした答えがないことがほとんどで、中には「とにかく決意を示すことが重要」など精神論的な答えもあります。

 そこで第1回の「政治と市場の“正しい”見方」では、「大胆な金融緩和」について検討してみたいと思います。

 まず衆院選の自由民主党の政権公約を見ると、「デフレ・円高対策」の項目にこうあります。

  • 「明確な『物価目標(2%)』を設定、その達成に向け、日銀法の改正も視野に、政府・日銀の連携強化の仕組みを作り、大胆な金融緩和を行います」
  • 「財務省と日銀、さらに民間が参加する『官民協調外債ファンド』を創設し、基金が外債を購入するなど様々な方策を検討します」

 ここからキーワード的なものを抜き出すと、「明確な物価目標(2%)」「日銀法改正」「政府・日銀の連携強化」「官民協調外債ファンド」となりますが、これらが「大胆な金融緩和」の具体的な内容、またはそれに準ずるものと言えそうです。

 これに安倍首相が言及した、あるいは言及したと報じられた雇用目標の設定や国債の直接引受けなどを追加したものが、【表1】です。インフレ目標については既に日銀が採用している「中長期的な物価安定の目途」に近いものがありますが、それ以外はこれまで日銀が採用していないものばかりなので、「大胆な金融緩和」と呼ぶにふさわしいかもしれません。

【表1】 報道等で取り上げられた金融緩和
    あるいはそれに準ずる施策と実現の可能性

 しかし、【表1】では各政策の実現可能性について、「1(実施済み/高い)」「2(低い)」「3(ない)」の3段階で評価していますが、「1」が2つ、「2」が3つ、「3」が3つと、大半は可能性が低い、またはないと考えているものばかりです。つまり「大胆な金融緩和」の実現可能性は意外と低いことになりますが、そう考える理由について順に説明していきます。

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「安倍政権の「大胆な金融緩和」は本物か?」の著者

門司 総一郎

門司 総一郎(もんじ・そういちろう)

大和住銀投信投資顧問/経済調査部部長

アジア株ファンドマネージャー、チーフストラテジスト、投資戦略部長などを経て、2014年より経済調査部部長。 同社ホームページに「市場のここに注目」を掲載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト