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雇用を奪ったのは業務の海外委託でも規制でもない

『機械との競争』第1章を公開 テクノロジーが雇用と経済に与える影響(下)

  • エリック・ブリニョルフソン

  • アンドリュー・マカフィー

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2013年2月8日(金)

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 マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン・スクールのデジタル・ビジネスセンターに所属するエリック・ブリニョルフソンとアンドリュー・マカフィーの2人による、近未来の技術と人間に関するこの報告書、“Race Against The Machine”は、2011年に公にされると米国内で大きな話題を呼んだ。

 その内容を一言で言えば、「人間はコンピュータに仕事を奪われていく」ということ。リーマン・ショック後の世界不況からようやく立ち直りつつあった米国国内で大きな話題となり、その反響の大きさから、2012年にはペーパーバック版として出版された。

 今回公開するのは、この報告書の邦訳版『機械との競争』の第1章の後半部分である。

(『機械との競争』第1章の前半は、こちらからお読みください)

 この重大な変化をもたらしたのは、コンピュータである。「いずれは高度なソフトウェア技術によって、文明は労働者がほとんどいない世界に近づいていくだろう。今日、経済のあらゆる部門は技術による置き換えに直面しており、数百万単位の労働者が不要になっている」とリフキンは指摘し、これに対処することが「今世紀において最も急を要する社会的課題」だと主張する。

 雇用喪失説を唱えてきたのは、あのジョン・メイナード・ケインズ、そして経営理論の開祖ピーター・ドラッカー、ノーベル賞受賞経済学者ワシーリー・レオンチェフなどである。

 レオンチェフは1983年に「最も重要な生産要素としての人間の役割は減っていく運命にある。ちょうど農業において、トラクターの導入によって馬の役割が最初は減り、次いで完全に排除されたように」と指摘した。

 ソフトウェア開発会社の経営者であるマーティン・フォードも、2009年の著書『トンネルの先の灯り』(未邦訳)の中で、「未来のいつかの時点で、それは数年先かもしれないし数十年先かもしれないが、ともかくいつかの時点で、“平均的な”人間の大多数が従事している仕事を機械がこなせるようになるだろう。そしてこの人たちは、新たな職を見つけることはできまい」と書いている。

 複雑系理論で名高いブライアン・アーサーも、まだ目には見えないが広大な裾野を持つ「第二の経済」が、デジタル・オートメーションの形ですでに存在していると述べた。

 雇用喪失説は、直感的に頷けるところがある。たとえば窓口係から手渡されるのではなくATMから現金を引き出すとき、あるいは空港でセルフサービスのチェックイン機を利用するとき、私たちはテクノロジーが人手を駆逐したのを目の当たりにする。

 だがアメリカの失業率は1980年代、90年代、さらに21世紀最初の7年間すべてを通じて低かったため、雇用喪失説はいっこうに信用されず、今日の「雇用なき景気回復」論議でもこの説は主流にはなっていない。

 たとえば連邦準備制度理事会(FRB)が2010年に発表した報告書「長期的な失業率上昇の潜在的な原因と影響」では、コンピュータ、ハードウェア、ソフトウェアといった言葉は本文中に登場しない。

 国際通貨基金(IMF)が2011年に発表した調査報告書「失業の循環的および構造的原因に関する新たなデータ」や「大不況はアメリカの構造的失業を拡大させたか」も、やはりテクノロジーには言及していない。

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