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カリスマ後の経営、どうすればいい?

アップルだけじゃない、悩める企業の選択とは

2013年2月8日(金)

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 カリスマ経営者がいなくなった後の企業経営は本当に難しい。最近の米アップルの株価急落を見るとつくづくそう思う。2011年秋に創業者で前CEO(最高経営責任者)だったスティーブ・ジョブズ氏が死去。その直前にCEOを引き継いだティム・クック氏の経営執行能力は高く評価されるが、ジョブズ氏のようなカリスマ性はない。

 どんな驚くような新製品が次に飛び出してくるのか──。「iPhone(アイフォン)」や「iPad(アイパッド)」は、アップルのファンだけではなく、一般人も熱狂させた。こうした革新的な製品の数々は、そのプレゼンターであるジョブズ氏と不可分の存在だった。筆者も米国でアップルの新製品発表会に参加したことがあるが、会場に集まった聴衆の熱狂ぶりには圧倒された。

 偏執的と言えるほど細部にこだわり、開発チームを時に叱咤して生み出す、研ぎ澄まされた商品の数々。ジョブズ氏がかけてきた“魔法”は、残念ながら最近のアップル製品からはあまり感じられない。

 それでもジョブズ氏の遺産といえるiPhoneやiPadの販売はおおむね順調で、アップルの業績も拡大してきた。手堅い経営を続けるクック氏が選んだのがアップルを「普通の会社」にする道だ。

 昨年春、好業績で積み上がる豊富な現金を、17年ぶりに株主に配当する方針を打ち出した。ジョブズ氏は巨額の内部留保をイノベーションの原資にするため、配当を控えてきたが、クック氏の考えは違う。さらに自社株買いも実施して株主を重視する姿勢を鮮明にした。成熟した多くの米国企業と同じ経営スタイルだ。

 クック氏の方針転換は短期的には投資家に支持され、株価は上昇した。だが普通の会社になったことは、裏返すとイノベーション力が減退したとの見方につながる。ジョブズ時代のように、驚くような新製品を生むことへの期待感はしぼんでいた。

 次代の成長をけん引する革新的な新商品が見当たらない中で、投資家が既存製品の販売動向を気にするのは自然な流れだ。だからこそ成長の勢いが期待を下回る兆候が見えると、瞬く間に不安にかられる。

1日で時価総額が5兆円消失

 そして2012年10~12月期の決算発表の翌日に当たる1月24日に“アップルショック”が起きた。1日で株価が12%下落し、時価総額にして5兆円が消失したのだ。米株式市場全体の上昇が目立つ中、アップルの株価は足元でも低迷する。

 カリスマ後の経営は、アップルに限らず、多くの企業にとって容易ではない。長年にわたりトップとして辣腕を振るい、抜きんでた実績がある経営者。そのカリスマの一挙手一投足を見て幹部も社員も行動してきた場合が多いからだ。さらに株式市場からも高く評価されている場合が多く、トップ交替は株価の下落にもつながる可能性がある。

 長期間トップを続けるカリスマ経営者が日本で多いのが流通業界だ。10年スパンで実質的に同じトップが経営を続けるのは、イオン、セブン&アイ・ホールディングス、ローソン、ファミリーマート、高島屋、ファーストリテイリング、日本マクドナルドホールディングスなど数多い。

 そんな中で経営体制を変更する動きが目立つようになっている。ファミリーマートでは今年1月、社長を10年以上務めた上田準二氏から筆頭株主の伊藤忠商事出身の中山勇氏に引き継いだ。上田氏は新たに会長職に就き、海外事業や子会社などグループ全体の経営を担当する。

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「カリスマ後の経営、どうすればいい?」の著者

山崎 良兵

山崎 良兵(やまざき・りょうへい)

日経ビジネス記者

日経ビジネス編集部、ニューヨーク支局、日本経済新聞証券部を経て、2013年1月から日経ビジネス編集部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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