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景気対策、日本は対応を誤るな

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2013年2月14日(木)

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危機後の経済の根本問題が、需要の不足にあるという現状分析は正しい。だが、金融危機後に生じる需要は一様ではないため、全般的な刺激策では効果がない。政府は非成長産業を支援するのでなく、産業構造のシフトを促す必要がある。

 ここ数年、世界の経済政策を動かしてきた根底には2つの基本的な考え方がある。1つは、世界経済の問題の原因は供給に対する総需要の不足にあるという診断。もう1つは、その需給ギャップを埋めるには金融、財政両面の刺激策が治療法になるという考えだ。

 もしかすると、診断は正しいのに治療法が間違っているのではないだろうか。だとすれば、成長を危機前の水準に戻そうとしても、ほとんど前進できていない現状の説明もつく。治療法を再考する必要があるということだ。

需要は一様ではない

 先進諸国に広がる失業率の高さからすると、需要が潜在的な供給に追いついていないと考えられる。失業率が高い分野は様々だ。米国で言えば建設業のように、危機前に好調だった分野で特に高いが、そこに限られるわけではない。このことは、完全雇用を回復するには広範な需要の喚起が必要だという見方を裏づけている。

 そのため、政策立案者たちは当初、需要を押し上げるために財政を出動させ、金利を下げるという手段に訴えた。政府の債務が膨らみ、政策金利がそれ以上下げられなくなると、中央銀行が金融緩和に乗り出し、その手法もますます斬新なものになってきた。だが、それでも成長はどうしようもなく穏やかなままだ。なぜだろうか。

 すべての需要は一様に生じる、との前提に問題があるとしたらどうだろう。

借り入れが容易になると需要が最も増えるのが、クルマや住宅など担保にできる財だ(写真:AP/アフロ)

 周知の通り、危機以前の需要は巨額の借入金によって膨らんだものだった。借り入れが容易な時に消費を増やすのは、支出が所得に縛られない富裕層ではなく、所得の増加を上回るペースで夢や欲求を膨らませていく比較的若く貧しい家庭である。そして彼らのニーズは富裕層とは異なる。

 しかも、借り入れで最も購入しやすい財は、担保にしやすい財、つまり消費して消えてしまうものではなく、家やクルマだ。こうしてある地域で不動産価格が上昇すると、その購入した家を担保にさらに借り入れが容易になり、その借入金がオムツやベビーフードといった日用必需品に消費されていく。

 要するに、借り入れで膨らむ需要は、特定の地域の特定の家庭で、特定の商品に対して生じるということだ。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官