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イノベーションが止まらない「両利きの経営」とは?

企業のトップこそ業界の外に学ぶ「知の旅」をしよう

2013年2月12日(火)

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 この連載では、米国のビジネススクールで助教授を務める筆者が、海外の経営学の先端の知見について紹介していきます。

 さて、私は昨年11月に『世界の経営学者はいま何を考えているのか(以降、世界の~)』(英治出版)という本を出版しました。おかげさまで望外な好評をいただいているのですが、中でもビジネスマンのみなさんから反響が大きかったのが、「イノベーションに求められる『両利きの経営』とは」という章でした。

 日本では、イノベーションと聞くとクレイトン・クリステンセン米ハーバード大学教授の「イノベーションのジレンマ」を思い浮かべる方が多いようです。しかし、世界の経営学の先端で今もっとも研究されているイノベーション理論の基礎は、「両利きの経営」であるといって間違いありません。

 そこで今回は、経営学の先端で注目されているこの「両利きの経営」の基本を紹介しながら、『世界の~』では書ききれなかった話題や、日本でも手に入る文献を紹介し、みなさんへの示唆を探っていこうと思います 。

知の探索と深化をかじ取りする「両利きの経営」

 「両利きの経営(Ambidexterity)」の詳細についてはぜひ拙著を読んでいただきたいのですが、その基本コンセプトは「 まるで右手と左手が上手に使える人のように、『知の探索』と『知の深化』について高い次元でバランスを取る経営」を指します。

 イノベーションの源泉の1つは「知と知の組み合せ」です。たとえば、自社の既存のビジネスモデルという「知」に、他社が別事業で使っていた手法などの「別の知」を組み合わせることで、新しいビジネスモデルや商品・サービスを生み出していくことです。そのためには色々な知の組み合せを試せた方がいいですから、企業は常に「知の範囲」を広げることが望まれます。これを世界の経営学では「Exploration(知の探索)」と呼んでいます。

 そして、そのような活動を通じて生み出された知からは、当然ながら収益を生み出すことが求められます。そのために企業が一定分野の知を継続して深めることを「Exploitation(知の深化)」と呼びます。

 ところが現実には、目先の収益をあげるには今業績のあがっている分野の知を「深化」させる方がはるかに効率がよく、他方で「知の探索」は手間やコストがかかるわりに収益には結びつくかどうかが不確実であることが多いものです。したがって、企業には「知の探索」を怠りがちになる傾向が組織の本質として備わっています。このことで知の範囲が狭まり、結果として企業の中長期的なイノベーションが停滞することを、経営学では「コンピテンシー・トラップ」と呼びます。

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「イノベーションが止まらない「両利きの経営」とは?」の著者

入山 章栄

入山 章栄(いりやま・あきえ)

早稲田大学ビジネススクール准教授

1996年慶応義塾大学経済学部卒業。98年同大学大学院経済学研究科修士課程修了。2008年、米ピッツバーグ大学経営大学院より博士号(Ph.D.)を取得、米ニューヨーク州立大学ビジネススクール助教授を経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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