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世界のデニムを支える、気仙沼の町工場の物語

低賃金に魅了されては、日本の技術は守れない

2013年2月18日(月)

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 眼前に、リアス式海岸と津波に飲まれた小島が広がる。宮城県気仙沼市。2011年3月11日の東日本大震災を受けて、この地名は皮肉にも「被災地」の1つとして知られるようになった。

 そんな気仙沼の海に面した高台に、世界に誇る技術を持ったデニム工場があるのをご存知だろうか。その名も「オイカワデニム」。SMAPの木村拓哉氏やBEGINなど、オイカワデニムが手がけた製品の愛用者は多い。アメリカに20年ほど寝かせていた生地を使って501本の「リーバイス501」を製造したのも、この工場だ。

 数々の有名ブランド品のOEM(相手先ブランドによる生産)を手がける一方、オリジナルのデニムが高い人気を誇るオイカワデニム。今回の記者の眼は、このデニム工場の潜入取材を通じて垣間見た日本のモノ作りの力と、その技術を磨き、守り抜くためのこだわりについて触れてみたい。

宮城県気仙沼市の高台に位置する「オイカワデニム」の工場(写真:古立 康三、以下同)

 オイカワデニムが手がけるジーンズは、全体のうち8割が国内外の大手ジーンズメーカーや有名ブランドのOEM、2割を「STUDIO ZERO(スタジオ・ゼロ)」をはじめとする自社ブランド品が占める。

 その技術力の高さには、大手メーカーも舌を巻く。通常、麻糸は強度が高いため、ジーンズの縫製に使うのは困難とされてきた。だが、オイカワデニムは自社でミシンを調整したり、機械に手を加えたりすることで、不可能とされていた麻糸による縫製を可能にした。

 この麻糸による縫製は、自社ブランド製品「ゼロ」の「ORANGE」というカテゴリーの商品などに施されている。麻糸を使うことで、「綿糸で縫製したときの倍以上の耐久性が備わる」(オイカワデニム)という。

 一部商品のポケット部分に入れ込まれた「Z」の模様には、良く見ると立体的なミシン目が施されている。この立体的な縫い目も、通常のミシンでは実現できないとされる。女性用のジーンズには尻のポケットの縁を立体的に縫製し、体のラインを美しく見せるといった細かい工夫を施す。技術力だけではない。背面に手縫いの刺しゅうをあしらったり、デニム地以外の素材を組み合わせたりといったアイデア力やデザイン性の高さも、多くの支持を集める理由だ。

 オイカワデニムは1981年の創業以来、技術力の高さが信頼を生み、名だたるメーカーのOEMを手がけてきた。だが、現在のように自社ブランドを持ち、こだわりのデザインと技術力を前面に打ち出したモノ作りに移行したのは、メーカーが人件費の安い東南アジアや中国などに生産拠点を移したことに端を発している。

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「世界のデニムを支える、気仙沼の町工場の物語」の著者

瀬戸 久美子

瀬戸 久美子(せと・くみこ)

日経WOMAN編集部

旧・日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経WOMAN、日経TRENDY、日経ビジネス編集を経て2013年4月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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