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「前年比」は、経営者にとって魔法の言葉なんです。

2013年2月28日(木)

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 こんにちは。「バンドマン社長」河野です。

 僕は前回、「どうして『前年比』を超えないといけないんですか?」とみなさんに問いかけました。「業績が右肩上がりであり続けること」を、中長期的な商品の価値やサービスよりも重視した結果、あなたのいる組織は硬直化し、未来へ向けた冒険の可能性を失ってはいませんか、と。

 その記事に対して、予想以上にたくさんのリアクションがありました。多くの方から共感を寄せていただきましたが、同時に反対意見もかなりありました。いろいろなご意見がありましたが、「面白いな」と思ったのは、ざっくりこんな感じの声です。

「社員の給与も据え置きなんじゃないのか?」

 「社員の給料はどうなんだ? 前年の実績をクリアできなくて構わないなら、月給も据え置きが大前提だろう。音楽の仕事は給料が安くても頑張る人が多いからできる話で、河野は経営者として従業員に甘えているんじゃないのか?」――。要は、「右肩上がりを前提にしなくていいというのは、お前の会社や業界が特殊だから。俺たちが働いているような、一般的な会社には通用しない話だよ」ということです。

 はい、実は僕はこういう意見を待っていました。まさにここが、多くの人が「前年比」「右肩上がり」という思考に絡め取られてしまうポイントですから。

 そもそも「前年比」は、「自分たちの働きぶりをチェックするための参照点」ですよね。重要だけど、ただの「物差し」にすぎません。

前年比は、「経営者にとって」非常に便利な道具なんです

 なぜこれほどその物差しが猛威を振るうのか、本当のことを言いましょうか。

 「前年比」という物差しの存在が一番ありがたいのは、経営者です。

 自分の収入とポジションを維持するのに楽ちんでとっても便利なツールだから、「前年比」を絶対化して社員を働かせている、その影響下で皆さんの思考が前年比に縛られていく、というだけの話です。なぜ便利か? だって、目標を考える必要がないんですから。「××がしたい、その結果、数字はこうなる」の××が「目標」なのに、目標抜きで数字を出せばいいなんて、簡単すぎますよね。ふざけた話です(もちろん、お化粧としての理由付けはいろいろされていますが、本当にそれがやりたいのか、前年比を超える数字が欲しいだけなのか、は、そこで働いている方なら本当は分かると思います)。

 「前年比」でどうこう、という言い方は、分かりやすいんです。そして、公平に見えるし、うっかり納得してしまいやすい。「テストの点と仕事の数字は違う」と分かっていても、「去年の平均点を下回ったぞ」と言われたら、心穏やかじゃないでしょう。教科書の内容は毎年同じですが、仕事の環境は1年どころか毎日違う。なのに、です。

河野 章宏(こうの・あきひろ)
1974年生まれ。岡山県倉敷市出身。20代はミュージシャンをやりながらフリーター時代を過ごし、2004年に自主レーベル「残響レコード」を立ち上げる。10万円の資金からスタートし、2010年の決算ではグループ年商5億を売り上げる。ロックバンド「te'」のギタリストとしても活躍中。著書に『音楽ビジネス革命』(ヤマハミュージックメディア)。

 だけど真面目な社員の方は、「前年比クリアが“目標”だ」と、丸呑みして頑張ってしまう。そして「右肩上がり」じゃないと、会社は回らない、と考えてしまうようになるのです。そこが、経営者にとっては、ものすごくありがたい。

 しかも、皆さんは「前年に比べてプラスになった」ら、賃上げや待遇改善を本気で要求していますか? 「前年比クリア」を金科玉条にしている会社で、社員の方の給与や、使える経費がそれに比例して伸びている会社って、そんなに多くないような気もするんですが。コメントをくださった皆さんの会社は、きっとそうではないのでしょうけれど。

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「「前年比」は、経営者にとって魔法の言葉なんです。」の著者

河野 章宏

河野 章宏(こうの・あきひろ)

残響レコード社長、ギタリスト

1974年生まれ。岡山県倉敷市出身。2004年に自主レーベル「残響レコード」を10万円の資金で立ち上げ、2010年の決算ではグループ年商5億を売り上げる。「te'」のギタリストとしても活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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