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民間企業と「明るく癒着」し住民サービス向上

33歳で初当選、異能の市長が地方を変える(下)

  • 浅野 祐一

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2013年3月12日(火)

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自治体で初めて借金時計を設置

 2009年に山中光茂氏が三重県松阪市長に就任して間もなく、同市は百五銀行からの寄付を受けて市庁舎の玄関前に借金時計を設置した。全国の自治体で初めて設置された借金時計だ。現在の満足感を優先した投資が将来の世代にとっては負担にもなることを、市民に明示する狙いがあった。現在この時計は、時間経過とともに借金額を減らし続けている。山中市政1期目の四年間で削減できた市の借金は、約90億円に達する。

 債務削減に寄与した要因の1つが大規模事業の見直しだ。山中氏が市長に当選する前から計画されていた100億円規模の松阪駅前の再開発事業を取りやめたり、市庁舎の改修事業を民間企業の知恵を借りて当初想定の1割程度の約4億円で済ませたりした。ほかにも、自らの報酬や職員の手当の削減も実施してきた。

市庁舎への借金時計の設置など財政再建に向けた努力もされていますね。

借金時計
松阪市庁舎の玄関前に設置した借金時計(写真:日経アーキテクチュア)

山中:これまでの市政ではあまり取り上げられなかった財政再建を実現してきたことは、今回の選挙で評価を受けた一因でしょう。これまでの市民には、「市に何かやってほしい」という思いが強かった。

 しかし対話を重ねていくと、無駄な事業ややらなくてもいい事業をやめることにつながっていきました。市民との対話を通じて赤字が続いてきた市民病院の経営改革が進み、駅前の大規模再開発事業を見直すことができたのです。

歴史資産も保存主義から活用へ

山中:行財政改革という面では、これまでの4年間で職員手当の見直しなどにも切り込んできました。今後は施設のマネジメントに注力していきたいと考えています。「事業仕分け」ならぬ「施設仕分け」を行って、公共施設の活用のあり方や存廃について、市民に公開した場を設けて議論していきたいのです。

 観光を基軸にしたまちづくりでは、伊勢商人の館である長谷川邸を活用した取り組みを進めていきます。市庁舎のすぐ近くにある長谷川邸は、民間からの寄付を受けることになった歴史的価値の高い施設です。

長谷川邸
市が寄贈を受けることが決まった長谷川邸。1670年代の創業以降の膨大な資料や生活用品が所蔵されている(写真:日経アーキテクチュア)

 歴史的な施設はもらうことで満足してしまう傾向があります。でもその先、施設を維持管理していくためにはコストがかかる。そうした負担は将来の世代が背負っていかなければなりません。将来の世代に対して責任を持つために、長谷川邸を上手に活用しながら保存していく手立てを探ってきました。有識者の議論に加え、市民からも意見を聞きながら。

 施設の歴史的価値を重んじる人は、使わずに残すことを強く主張しがちです。しかし、市としては松阪名産の木綿の物販施設といった具合に、建物を使いながら維持管理費用を捻出し、地域のにぎわいや経済効果を生み出せるようにしていきたい。

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