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民間企業と「明るく癒着」し住民サービス向上

33歳で初当選、異能の市長が地方を変える(下)

  • 浅野 祐一

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2013年3月12日(火)

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 このほか観光まちづくりの取り組みでは、観光看板や道路の誘導看板の設置を検討する際に、市民などと一緒にワークショップを開いて効果的な整備を図れるようにしたいと考えています。

 「何かやってほしい」という受け身の姿勢だった市民が、自らも行動して財政再建を成し遂げていく。将来の世代に目を向けられるように変わってきたのです。市民からは、「次の世代のことも考えないといけないよね」といった言葉が発せられるようになってきました。市民が次世代への責任を感じながら、まちづくりに参加してきた成果にほかなりません。

 これからは、まちづくりのための投資もしていかないといけない部分があると思っています。これまで積み上げてきた貯蓄や、減らしてきた借金をにらみつつ考えていきたい。財政が安定してきたからこそ、こうした検討ができるようになったのです。

民間企業の提案から逃げない

 松阪市のまちづくりでは、民間企業の知恵を生かす取り組みにも力を入れる。例えば、カラオケ機器を扱っている第一興商とは、カラオケを通じた介護予防事業で連携している。カラオケ機器を住民協議会に寄贈してもらい、その利用による介護予防プログラムを進めてもらうことにしているのだ。

 ハリウッド化粧品(正式名はハリウッド)には、高齢者福祉施設で化粧指導をしてもらい、高齢者の気持ちを明るくする取り組みを実施。ソフトバンクグループとはiPadを利用した学校の教育モデル事業で連携した。ほかにも、ヤマト運輸とは過疎地における宅配サービスで、クラブツーリズムとは大阪や名古屋からの観光客誘致で、それぞれ連携できないか模索しているという。

 山中市長は、民間企業の知恵を借りながら市政運営する試みを「明るい癒着」と名付けている。行政に対して優れた提案をした民間企業を、「公平性」や「中立性」という言い訳によって安易に排除するのではなく、市民サービスの向上につながるのであれば積極的に利用しようとしているのだ。民間企業にとっても、先進的な取り組みを試すフィールドを得られたり、新しい顧客獲得に結び付いたりするメリットがある。

市民サービスの向上に向けて、民間企業のアイデアを積極的に取り入れていますが、今後はどのように展開されるのですか。

山中:民間企業との連携には、今後も力を入れていきたいと考えています。これまでも、「GS世代研究会」という官民の連携体制の下、ブランド構築や観光、まちづくりにおいて民間企業との連携を図ってきました。この取り組みはこれからも続けていきます。

市庁舎
民間企業の知恵を生かして、耐震改修の事業費を当初想定の1割ほどで済ませた市役所の本庁舎(写真:日経アーキテクチュア)

 民間企業との交渉なので詳細はお話できませんが、今も様々な企業とまちづくりなどで連携していく話を進めているところです。

 こうした施策の導入に当たっては、市議会では特定の企業との連携について問いただされる場面もありました。でも、少ないコストで市民サービスの向上につなげられることは数多い。公平性に欠くという理由で閉じこもってしまえば実現しなかった。民間企業との「明るい癒着」は、胸を張れる成果だと考えています。

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