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シェールガス革命の死角

熱狂を超えた調達改革を

2013年3月4日(月)

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 連日のように報道で「シェールガス」という言葉が飛び交っている。低コストに非在来型の天然ガスが採取できるようになり、北米ではこの3年ほどの間に急速な開発が進んだ。その結果、北米における天然ガス価格は暴落し、天然ガスは最有力の化石燃料に生まれ変わった。

 改めてこのシェールガスとは何か。採取方法としては、地中深くの頁岩(けつがん=シェール)層にヒビを入れることで、内部に吸着した天然ガス成分を抽出する。存在そのものは以前から確認されていたが、米国において低コストの開発技術が確立され、瞬く間に開発が北米に広がった。回収可能量は世界で208兆立方メートルとも言われ、単純にLNG(液化天然ガス)に換算すれば1664億トン。実に日本の年間輸入量の2000年分に相当する。この天文学的な量が、北南米や中国、東欧などに分散して埋蔵されている。

 このガス田からは、同様に原油(シェールオイル)を採取できるケースも多い。こうした膨大な資源を低コストで開発できることで、IEA(国際エネルギー機関)などの予測では、米国は2025~30年頃に、世界最大のエネルギー生産国になる。最大の経済国が最大のエネルギー生産国になることのインパクトは、まさに「革命」の呼び名にふさわしい。現に、震源地の米国は革命に沸いている。

高給取りはウォール街からシェールガス開発へ

 「指5本」。米国でシェールガス開発に携わるある日本の大手商社の幹部は、現在の米国における鉱山技術者や地質学者の給与水準をこう言い表す。つまり、年収50万ドル(4500万円強)。以前のこの業界では考えられなかった水準で、「2008年までのウォール街の金融工学の専門家の給与水準がそのままシフトした」のだという。

 この事例が示す通り、全米各地で開発に次ぐ開発が進み、米国の天然ガスの指標価格は2008年ころまで100万BTU(英国熱量単位)当たり6~8ドルで推移していたが、昨年には一時2ドルを割り、現在も3ドル強の低水準にある。天然ガスは燃焼時の二酸化炭素排出が原油や石炭と比べても大幅に少ないことから、米国の火力発電燃料も一気に天然ガスへとシフトしている。

 また、天然ガスを使用する製造業にも大きな影響が及ぶ。製鉄プロセスでガスを使う鉄鋼メーカーや、シェールガスの副産物を使用してエチレンを造る化学メーカーの恩恵は莫大だ。シェールガス由来のエチレンは、日本でナフサ由来のエチレンを造る場合に比べて、原料のコスト競争力が3~4倍ともされる。製造業の復権と、輸出振興を目指すオバマ政権にとって、シェールガス革命は強力な切り札となっているわけだ。

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