• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

企業が抱える負のDNA、今こそ事故や不祥事に学ぶべき

技術倫理に見る、企業の社会的責任(第2回)

2013年3月13日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 もう一つ取り組んでいるのは、企業の事故や不祥事から学ぶことです。よく知られた、米国のスペースシャトル「チャレンジャー」の爆発事故など、いくつかの事例を取り上げるもので、事前に予想された事故や不祥事をなぜ防げなかったのか、自分たちならどのように防ぐのかについて検討していきます。

予見されていた「チャレンジャー爆発」

 チャレンジャーが爆発することは、事前に予見していた人がいたことはよく知られています。固体補助ブースターロケットを封止する部品が損傷すると、燃料が漏れて爆発につながる欠陥が以前から指摘されていたからです。

 しかし、大統領や副大統領が視察に来る予定があったこと、米国航空宇宙局(NASA)との契約の関連など、多くのしがらみが絡んだプロジェクトです。この固体補助ロケットブースターを担当するMorton-Thiokol社には、最後まで打ち上げに反対していた技術者もいますが、当時の副社長が打ち上げを強行し、事故を引き起こしました。その後、最後まで反対した技術者は退職し、現在はフロリダ大学で倫理の先生をしています。反対したものの、止めきれなかったことの反省があったからだと思えます。

 欠陥を知りながら止めることができないのは、いつかは事故につながるかもしれないけれど、それが今回起きると想像できる人が少ないからです。さまざまな要因が絡んで、打ち上げなければ自社の存続に関わってくるとなると、余計に、これまで事故は起きなかったから大丈夫だろうと判断してしまいます。

 スペースシャトルは、作られた5台のうち2台が、事故によって失われています。チャレンジャーの後、もう一つ、打ち上げの時点で失敗だとわかったのが、「コロンビア」の打ち上げでした。発射時に起きた断熱材の損傷が、地球へ帰還する際の空中分解を招いたのです。NASAによる大掛かりな調査をベースにして打ち上げを実行したのに、技術者の懸念を生かしきれず、こうした結果を招きました。その結果、スペースシャトルの担当者をほぼ全員入れ替え、組織自体が解体されました。

 こうした事例を基に、技術倫理の講座でよく話すのは、企業のDNAの怖さです。前の担当者の取り組み方で問題が起きなければ、次の担当者はそれを追従してしまいます。担当者のほとんどを変えない限り、変わらないのです。

コメント0

「田中芳夫の技術と経営の接点・視点」のバックナンバー

一覧

「企業が抱える負のDNA、今こそ事故や不祥事に学ぶべき」の著者

田中 芳夫

田中 芳夫(たなか・よしお)

東京理科大学大学院教授

産ー官ー学での経験をもとに、これからの人たちと価値づくりを一緒に考えていきたい。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

企業や官公庁の幹部のメールボックスの内容が、まるごと数十万〜数百万円で売られている事例もある。

名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官