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民主党でさえしなかった! 賃上げに動き始めた安倍内閣

  • 根津 利三郎

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2013年3月7日(木)

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 春闘を前にして、安倍晋三首相が経団連をはじめ産業界の首脳に対して賃上げを要請している。彼はもともと自由民主党のなかでも右派で、労働組合とは対極にある政治家と考えられてきたから、民主党政権の下でも見られなかったこの動きに驚いた人もいるのではないか。賃金は本来労使間の交渉で決まるものであり、政治の介入は好ましくない、との見方もあるかもしれない。

 しかし、筆者は近年、「デフレ克服のためには賃上げが不可欠である」という主張を繰り返してきた。なので、このような動きは大賛成であり、産業界の積極的な対応を期待している。安倍首相はデフレ脱却を経済政策の主眼に据える。なぜ先進国の中で日本でのみデフレが執拗に続くのか、それを理解するにはバブル経済崩壊後の日本経済の動きを見ることが重要である。

日本経済の絶頂期に成立した第1次安倍内閣

 日本経済は2002年1月から2008年2月までの73カ月、戦後最長の景気拡大を経験した。小泉純一郎首相から後を任された第1次安倍内閣の政権担当期間(2006年9月からの1年間)は今世紀に入って最も経済状態の良かった時期に相当する。

 この景気回復を支えたのは円安と外需、そして強固な日米関係だった。円・ドル為替は、日本政府による大規模な介入によって、1ドル=100円から120円くらいへと長期間下落し続けた。

 外需は、米国でも中国でも盛り上がった。米国は住宅バブルを経験していた。中国は2001年にWTO(世界貿易機関)に加入。これを機に経済成長が加速し、「中国特需」を起こした。こうした外需の拡大が、2%を超える実質経済成長を支えた。内需の低迷を外需が補い、日本が経済成長できた背景には、強固な日米関係があった。日本政府による大規模為替介入を米国は黙認した。

 現在、円安が進み、株価が上がり、日本中で楽観的な気分が盛り上がっている。この点は6年前とよく似ている。米国が急激な円安を容認しているのも、当時と同様だ。米国の姿勢は、欧州やアジアの国々が日本の円安に懸念を表明しているのと対照的である。だが当時も今も相変わらずのデフレが続いている。

絶好調でも良くならなかった国民生活

 2000年代の初期、日本経済の最大の課題はバブルの後始末、すなわち100兆円に上るといわれた不良債権の処理であった。小泉内閣がこれを強力に推し進めた。このため銀行は「貸しはがし」「貸し渋り」を進めざるを得なくなった。企業は不良資産の整理に血眼であった。設備投資を抑え、正規職員を非正規に切り替え、コストの圧縮にまい進した。その結果デフレが続いたまま、企業業績だけは改善する結果となった。

 企業は拡大した企業収益を借金の返済に回した、あるいは内部にため込んだ。とにもかくにも現金を潤沢に持っていることが最良の企業戦略と考えられるようになった。このような企業マインドは今日に至るまで尾を引きずっている。これでは需要は盛り上がらない。それでも成長できたのは2008年9月のリーマンショックまで外需が堅調だったからだ。

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