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定年延長、ヤマト運輸と三菱電機の「決断」

2013年3月8日(金)

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 段階的に65歳までの雇用確保を企業に義務づける改正高年齢者雇用安定法の施行が4月に迫ってきた。年金がもらえるまで働きたいと考えるシニア社員が増えるのは確実。企業は、定年の延長や定年後の再雇用制度の拡充など雇用延長に向けた対策が急務になる。

 併せて、総人件費が上がらないようにする人事制度の改革、現役世代とシニア世代それぞれの働く意欲の維持、シニア向けの仕事の創出など、企業は新たな課題をいくつも乗り越えなければならない。

 ただ、法改正前から雇用延長に取り組み、これらの難しい課題の解決に向け試行錯誤をしてきた企業はいくつもある。代表例は、ヤマト運輸と三菱電機だ。

 両社が導入した制度は同じではないが、企業と従業員がお互いに歩み寄るため、「多様な働き方を用意」し、「双方が納得をするための努力」をしている点が共通する。2社の先行的な取り組みからは、「実質的な定年延長」における課題解決のヒントが探れそうだ。

60歳か65歳で定年を選べる

 2000年から2011年にかけ段階的に、社員が定年時期を選択し、雇用や勤務形態も選べるようにする制度を導入してきたのがヤマト運輸だ。

 現在は社員が59歳になると、定年を65歳にして正社員として働き続ける、60歳以降はグループの人材派遣会社に所属しグループ会社で派遣社員として働く、60歳で定年退職する、の三つから選択ができる。

 それだけではない。

 65歳まで定年延長した場合は、残業ありのフルタイム勤務、残業なしの8時間勤務、1日4~6時間勤務、といった多様な勤務形態を選べる。

 地域密着の宅配便サービスの充実には、シニア社員のノウハウや経験が重要であるため、ヤマト運輸はできるだけ多くの社員が60歳以降も意欲を持って残ってもらえるように検討。「65歳まで正社員として雇用し続けることで本人のモチベーションを維持でき、正社員に教育された方が現役社員も学ぶ意欲が高まるはず」(ヤマト運輸の大谷友樹 人事総務部長)、と判断し現状の制度ができあがった。

 現在のヤマト運輸では、60歳以上の社員が約1600人いるという。60歳に到達する社員は、2013年度に2000人超、さらに増加する。2011年度の実績では、約7割が65歳定年を選んでおり、今後も同じくらいの割合の人員が60歳以降も働き続けると予測している。60歳を越えると、年収は大幅にダウンするが、正社員であり続け、ボーナスも出るため、「シニア社員はノウハウ伝承などの使命感を持って働いてくれている」(大谷部長)という。

 厳しい競争を勝ち抜くため、ヤマト運輸としても総人件費のパイを大きくはできない。しかし、現役世代やシニア社員も同様に、意欲を持って働いてもらうために議論を重ね、こうした多様な働き方が実現した。

55歳時に引退時期を選択

 本人の希望で定年した時期に応じて、再雇用期間を選べるようにしているのが三菱電機だ。2000年度から生産拠点の人員を中心に、「複線型人事諸制度」と呼ぶシニア向けの雇用制度を導入した。

 同社の定年退職は通常は60歳。しかし、55歳時点で56~60歳の間で定年退職時期を選択し、その時期に応じて最長65歳まで再雇用契約が結べるようにしてある。定年退職時に、賃金は従来比5割程度に削減されるが、早く定年退職するほど長く再雇用契約が結べるという仕組みだ。

 例えば最も長く働きたい場合、56歳での定年退職を選択すれば、最長で65歳まで再雇用契約が結べることになる。57歳を定年にすると、再雇用は64歳まで。58歳を定年にすると、再雇用は62歳まで。つまり、通常の定年である60歳から、定年時期を早めて賃金水準を引き下げた期間分、再雇用期間が長くなる。

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「定年延長、ヤマト運輸と三菱電機の「決断」」の著者

宗像 誠之

宗像 誠之(むなかた・せいじ)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日本経済新聞社産業部、日経コンピュータを経て、2013年1月から日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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