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QEが招く10の問題点

  • ノリエリ・ルービニ

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2013年3月14日(木)

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先進各国では低迷する経済から脱すべく、QEという非伝統的金融政策が広がっている。だが、先進国が一斉に実施すれば、それは通貨戦争の代わりにQE戦争をもたらす。また、資産バブルやインフレなど意図せざるリスクをも招くだけに、警戒が必要だと説く。

 長引く低成長局面から景気を大きく上向かせるには、量的緩和(QE)をはじめとする非伝統的な金融政策が必要だ、ということで市場関係者の見方はおおむね一致している。

 だが、QEの効果やそのリスクに対して疑念が高まり始めていることも事実だ。とりわけ以下に掲げた10の問題点は、そうした政策の潜在的なコストとして注意を払うべきである。

ゾンビ企業の跋扈を招く

 (1)純粋な「オーストリア学派」のアプローチ(つまり緊縮策の採用)によって、資産や信用バブルを崩壊させようとすれば不況を招く恐れがある一方、QE政策に依存し、必要な民間・公共部門の債務削減を先送りしすぎれば、至る所で「ゾンビ」が跋扈する事態となりかねない

 ゾンビとは実質的には破綻しているのに、金融緩和策によって延命している金融機関や家計、企業のことを指す。そして、いずれは一部の政府までが、こうしたゾンビグループの仲間入りをすることになるだろう。従って、オーストリア学派が掲げる緊縮策と極端なケインズ主義の間のどこかで、QEを段階的に終息させる必要がある。

 (2)繰り返しQEを導入すれば、いずれ実体経済活動への波及経路が目詰まりを起こし、効果がなくなる可能性が出てくる。

 国債経路は既に国債利回りが下がっていれば機能しない。信用経路も、銀行が現金をため込み、マネーの流通速度が極端に低下すれば機能しない。

 事実、借金が可能な高格付けの企業や信用度の高い家計は借金したいと思っていないか、その必要がないのに対し、莫大な債務を抱える企業や信用力の劣る家計は、借金する必要があっても金融機関が貸し渋りをしているため、思うに任せないのが現状だ。

 しかも、QE導入直後は資産価格の上昇につながった株式市場経路も、経済成長が冷え込んだままでは効果は長続きしない。さらに、無期限のQEを実施して期待インフレ率を押し上げ、それによって実質金利を引き下げるという経路は、やがてインフレ期待そのものをあおる危険性をはらむ。

 (3)金融緩和により通貨安を実現するというQEの為替経路は、いくつかの主要中央銀行が一斉にQEを実行すれば、効果はなくなる。すべての国の通貨が同時に下落することなど不可能である以上、すべての国の貿易収支が同時に改善することもあり得ない。

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