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「侍ジャパン」の真価はWBC後に問われる

野球の国際化に向け、発言力の増大が必要

2013年3月15日(金)

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 第3回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が開幕し、熱戦が繰り広げられています。過去2大会を連覇した侍ジャパンが国内組だけで挑む今大会は、日本プロ野球の国際的な実力を測る意味でとても興味深い大会かもしれません。そんな小難しい理屈抜きにして、真剣勝負のゲームがこの時期に見られるだけでも野球ファンとしては心が躍ります。

 ただ、純粋に野球を楽しむ視点とは別に、WBCの報じられ方にある種の違和感を抱くのは私だけでしょうか。たとえば「野球世界一決定戦 WBC!」という派手なキャッチコピーがテレビを中心に見受けられます。視聴者の興味を高めるための宣伝文句だとは認識しつつも、どこか私はすっきりしません。「WBCは本当に世界一決定戦なのか?」という思いが浮かんできてしまうのです。

 もちろん過去2大会の連覇の価値を否定するつもりはありませんし、今大会に挑む侍ジャパンに一野球ファンとして大きな期待を抱いています。そこは誤解しないでください。野球を大切にするからこそ、日本プロ野球の発展を願うが故に、一方でWBCという大会をより冷静に見る必要があると私は考えるのです。

 前回も示したようにWBCはサッカーワールドカップにおける国際サッカー連盟(FIFA)、オリンピックにおける国際オリンピック委員会(IOC)といった国際統括組織がマネジメントするのではなく、MLB(メジャーリーグベースボール)とMLB選手会がつくったWBC,Inc.が主催する大会です。国際野球連盟(IBAF)が公認する国際大会であることは事実ですが、特定の国の競技団体が一方的に主導権を握る大会であり、公平な世界大会というにはいくつかの問題があります。

WBCは真の世界一決定戦なのか

 1つは大会形式です。過去2大会を連覇している日本、最後の五輪王者である韓国、そして強豪キューバの3チームと戦わずして、アメリカは準決勝まで勝ち上がれます。国際大会としての公平性を確保するならば、FIFAのランキングのように各国の過去の実績から組み分けし、シード権をきちんとしたルールの下でつくるなどの工夫が必要だと感じています。

 また今大会、日本代表にMLB所属選手がことごとく参加を辞退したことにも象徴されるように、選手選考面でそれぞれの国が最強の代表チームを組めているのかという問題があります。NPB(日本野球機構)12球団は日本代表に全面協力の体制ですが、MLBに目を移すと必ずしもWBCへの選手派遣に協力的なわけではありません。アメリカ代表だけでなく、プエルトリコ、ベネズエラ、日本、韓国といった多くの国の代表候補選手を抱えるMLBでは各国代表に選手を出すとシーズン前の大切な調整時期にチームの主力がごっそり抜けてしまう可能性もあるからです。ブリュワーズ、ツインズのように13人もの選手を拠出しているチームがある一方、メッツのように主力のジョアン・サンタナ投手がベネゼエラ代表に召集された際、万一のケガの際には莫大な保証金を条件に選手派遣を認めるという対応をするチームもあります(結果、サンタナ投手の召集は見送り)。

 サッカーの場合にはFIFAワールドカップの本大会、および地区予選などのほか、各国A代表が親善試合を開催できる国際Aマッチデイをあらかじめ設定し、所定の手続きをすれば各国協会は各所属クラブから選手を確実に召集できる制度になっているのとは対照的です。また各国代表選手の出場条件を見ても、たとえ国籍がなくとも出生国であったり両親いずれかが国籍を所有していれば代表選手になれる、さらにはその条件を基に大会ごとに代表国を変えることも可能など、代表選手そのものの定義すらWBCは曖昧です。

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「「侍ジャパン」の真価はWBC後に問われる」の著者

並木 裕太

並木 裕太(なみき・ゆうた)

フィールドマネージメント代表取締役

2000年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社後、最年少で役員に就任。2009年株式会社フィールドマネージメントを設立。日本一の社会人野球クラブチーム「東京バンバータ」の球団社長兼GMも務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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