• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

編集部「電話番」のつぶやき

仕事を進めるうえでの少しの気遣い

2013年3月12日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「条件反射」という言葉がある。「広辞苑」によると、「生物が環境条件に適応して後天的に獲得する反射」という意味があるそうだ。イヌに特定の音と餌を同時に繰り返し与え続けると、イヌはその音を聞いただけでよだれを流すようになる。いわゆる「パブロフの犬」と言われる現象だ。

 厳密には意味が異なるのだろうが、私にとっての「条件反射」は、オフィスの固定電話の音によって引き起こされる。机の左端にある電話機のランプが点滅し、ベルの音が鳴り始めたとたん、受話器を取る意思があろうとなかろうと、左腕の肘のあたりが勝手にピクリと動くような感覚があるのだ。

 11年前に入社した新聞社では、電話のベルの音を2度以上鳴らすことは基本的に許されなかった。電話機のランプが点滅し、ベルの音が鳴り始めたかと思う瞬間には、若手社員が競うように受話器を取りにいくというのが当たり前だった。あまり反応がすばやくなかった私はしばしば電話を取り損ねて、自分宛ての電話を先輩記者に取り次いでもらうこともあった。これは実に申し訳のないことになる。

 電話番というのは単調で退屈な作業のように思えるが、新米記者にとって、これほど手っ取り早く部署全体の動向を把握できる役回りはない。かかってくる相手や用件によって、同じチームのメンバーがどんな取材をしていて、どんな記事を書いているのかが、おぼろげながら分かるためだ。これは新聞社に限らず、多くの職場についても言えることだろう。

 あまりオフィスに人がいない時間にかかってきた電話を取ることで、チームを救うこともある。新聞社において特にその可能性が高いのは、夕刊帯といわれる正午前後だ。その日の午後に開かれる緊急記者会見の案内などの情報が、扱い方によって特ダネにも特オチにもなる。ニュースにつながる情報を担当記者に取り次げば、それだけでもお手柄。もし、若手の記者が職場で扇の要のポジションを狙うのであれば、まずは積極的に電話を取ってみるのがいい。

電話が鳴り続ける職場

 そう思って10年近く仕事をしてきた私にとって、2年前にやってきた今の編集部は、いささか驚きのある職場だった。電話のベルが2度、3度と鳴っても誰も受話器を取ろうとしないばかりか、ひどいときには10回以上鳴りっぱなし。事務職の女性陣がいなくなる深夜には、編集部内に人は大勢いるのに電話の音がむなしく鳴り続けているという光景が決して珍しいものではなかった。

 私自身はかなり違和感を覚えたものの、「郷に入っては郷に従え」で、当初、積極的に電話を取ることは控えていた。1つの電話番号にかかってくる編集部員の数があまりに多く、同僚の顔も名前も分からないうちは、かえって迷惑をかけるのではないかという思いもあった。

コメント8

「記者の眼」のバックナンバー

一覧

「編集部「電話番」のつぶやき」の著者

白石 武志

白石 武志(しらいし・たけし)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社編集局産業部(機械グループ)、京都支社、産業部(通信グループ、経営グループ)を経て、2011年から日経ビジネス編集部。現在は通信、半導体、家電業界などを担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の未来は、男性と同じ程度、女性のリーダーが作っていくものだと確信している。

ビル・エモット 英エコノミスト誌元編集長