• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ここに工場作れますか

インド、工業団地視察で見た現実

2013年3月14日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「着きました」とのガイドの声に、バスの車内には失笑が広がる。

 場所はインド南部のタミル・ナードゥ州クリシュナギリ。2月末、日本からインド進出を検討する中堅中小企業を中心とした視察ツアーに同行する機会があった。

タミル・ナードゥ州クリシュナギリにある開発中の工業団地は岩山に囲まれた荒野だった

 「インドのシリコンバレー」と呼ばれるカルナータカ州バンガロールから車で3時間弱。国道で州境を超えてタミル・ナードゥ州へ入ると道幅はどんどん狭くなり、最後は舗装されていないデコボコのルート。60キロ余りの道のりをノンストップで走っても、これだけの時間がかかる。

 到着したのは「GMRクリシュナギリ特別経済特区」。その名称とはややギャップのある、巨大な岩山に囲まれた荒野が広がる。門もなければ看板もない。道路の建設予定らしき場所に、石灰で白線が引いてある程度。なぜか、ヘリコプターが離発着できる円形のヘリポートだけは完成している。

 敷地内に設置されたテントで日本企業の関係者は説明を受けた。ここでまず3300エーカーの工業団地が開発されるという。東京ドーム300個分の面積となる。見渡す限り、遮るものは岩山か遠方に見える鉄道の線路だけ。とにかく広い。

 「ここを教育やヘルスケア分野なども含めたスマートシティにします」とマーケティング担当者は話す。インドにはまだ少ないレンタル工場も建設する予定で、将来的には日本企業専用の工業団地も考えているという。プレゼンテーション用の画面には、美しいコンピュータ・グラフィックスで描かれた近代的な工業都市の絵が浮かぶ。

 しかし現状は、なにもない。現地までの舗装道路はもちろん、現地の整地や、上下水道、電力。企業活動に必要なインフラは皆無。唯一、携帯電話の3Gの電波が入るぐらい。今の環境だけで判断すれば、ここに工場を建てて生産活動をするのも、日本からの駐在員が生活するのも極めて難しそうである。

 まるで原野商法のようであるが、決してそうではない。プロジェクトの開発主体はGMR社というインドでも有数のインフラ開発会社。同社は首都ニューデリーの国際空港を始め、各地の高速道路や発電所の建設を手がけた実績もある。この工業団地へも、自社の発電所の電力を融通することで、インドで頻発する停電リスクを回避できるという。

コメント1

「記者の眼」のバックナンバー

一覧

「ここに工場作れますか」の著者

熊野 信一郎

熊野 信一郎(くまの・しんいちろう)

日経ビジネス記者

1998年日経BP社入社。日経ビジネス編集部に配属され製造業や流通業などを担当。2007年より日経ビジネス香港支局に異動、アジアや中国に関連する企画を手がける。2011年11月に東京の編集部に戻る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

人は何か自信を持って誇れるものを持っているはずです。

為末 大 元プロ陸上選手