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ボランティアツアー異聞

2013年3月14日(木)

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 2012年6月8日、ボランティアツアーのマンガ家・デザイナー・ライター・編集者を乗せたマイクロバスは、国道283号を釜石へ向け東進していた。

 遠野側から釜石へ抜けるには、仙人峠という古来よりの難所を越えなければならない。この地名の由来は、文字通り仙人が住むような場所であったからとも、千人の金堀人夫が生き埋めになった故事が転じて、ともいわれ、いずれにしても大変な山越えであったことがわかる。

 柳田國男『遠野物語』四九にいわく

 仙人峠は登り十五里降り十五里あり。其中程に仙人の像を祭りたる堂あり。此堂の壁には旅人がこの山中にて遭ひたる不思議の出来事を書き識すこと昔よりの習なり。例へば、我は越後の者なるが、何月何日の夜、この山路にて若き女の髪を垂れたるに逢へり。こちらを見てにこりと笑ひたりと云ふ類なり。

 などと、山の怪異も伝えられている場所だ。
 283号線の旧道もまた蛇行の多い山道であったが、現在は峠の地中を抜けるトンネルによって、ほぼストレートなルートで往き来が出来るようになっている。

 その峠越え(正しくは峠くぐり?)も間近、という場所で事故は起きた。

 私はボランティアツアーの記録用の動画を撮るために、左側座席の最前列近くに座っていた。まだ現地に到着もしてないのに、ここまでに既に「平謝りに謝るとり・みきと、ライターのとみさわ昭仁(二人とも遅刻した)」「工事現場のパイプのバリケードを支えるカエルの支柱」「地産地消ドリンク・トマりん」「PAで一人だけ置いていかれそうになる朝倉世界一」など、貴重な映像素材を幾つも押さえていた。

 さほど混んでいない道だが、工事による片面通行の区間があり、バスはその前で停車していた。突然、前のめりになるようながくんという衝撃が来た。最初は車が動き始めた瞬間にエンストしたのかと思ったが、それにしては振動が大きかった。

 間髪を入れず二度目の衝撃。
 後ろのほうの座席でざわめきが起きる。ここにいたって「あ、これは追突事故に巻き込まれたのか」ということをやっと理解した。

 降りて確認してみると、我々のバスの後ろで軽自動車が中破していた。その後方には前面が凹んだバンが停止。状況から、停車していた軽自動車に、後方から来たバンが追突、軽は我々のバスに衝突、バスも前方の車に接触、という典型的な玉突き事故だったことが見てとれた。

 とくにバンとバスに挟まれた軽自動車の被害は甚大で、運転席以外の前後のボディが大きくひしゃげている(もちろん衝撃を吸収するためにひしゃげてるわけだが)。乗員は男性が1名で、その運転手も瞼を切って流血し、シャツが血まみれだった。さらに車体からはバッテリ液やらオイルやらが漏れ出し、二次火災事故も誘発しかねない危険な状態だった。

コメント5件コメント/レビュー

先生方の手が無事でよかったです。吉田戦車先生の「社長」発言には笑いました。お絵かき会場となった書店に、先生方の作品が置いてないってどういう事ですか?!信じられない。(2013/03/14)

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「ボランティアツアー異聞」の著者

とり・みき

とり・みき(とりみき)

マンガ家

熊本県出身。ギャグマンガをメインにしながら、エッセイコミックやストーリー物も手がける。94年『DAI-HONYA』98年『SF大将』で星雲賞、95年『遠くへいきたい』で文春漫画賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

先生方の手が無事でよかったです。吉田戦車先生の「社長」発言には笑いました。お絵かき会場となった書店に、先生方の作品が置いてないってどういう事ですか?!信じられない。(2013/03/14)

今週も面白かったです!『吉田戦車が一人「会社社長です」』から笑わされっぱななしの回でした。▼事故、大事に至らなかったようで何よりです。しかもこんなに美味しいネタにもなって。▼それにしても。震えが来るような面子のご一行だったのですね。マンガ好きの警官さんだったら、職場放棄してパトカーで目的地までお送りしているレベル。▼今さらですがとり・みき先生文章もお上手なんですねー。"くすぐり"があちらこちらに散りばめられて。(性ですか?笑)▼私の中の、日経ビジネスオンライン・ランキングでは、すでに小田嶋隆さんと1、2位を争っております。(2013/03/14)

普通のルポ漫みたいに参加者一覧を冒頭に記述しないところがミソですね。まるで怖い話を読むみたいに次に誰が何を起こすのか?、と期待したり、これは何か深い裏読みを要求しているのか?と、うがち過ぎ(ですよね?)たり飽きさせません。(2013/03/14)

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