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奇跡的な経済発展は「全知全能の党・政府」の成果か

『中国共産党と資本主義』第6章を読む(8)

  • ロナルド・コース

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2013年3月15日(金)

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 中国の奇跡的な経済発展は、毛沢東やトウ小平が率いた「全知全能の党・政府」の成果ではなく、エネルギーにあふれた13億人の中国人の存在があってこそ実現した。彼らは、より良い仕事、より良い暮らしを願って農村から都市部へ、国有企業から私有セクターへ移動した。
 『中国共産党と資本主義』の本節は、大躍進を遂げた私的企業活動を阻害する国有セクターの専横、とくに2008年以降のインフレ政策から現在に至る状況を解説している。

 2010年一月、『フォーリン・ポリシー』誌は、ロバート・フォーゲル教授の大胆な予測を発表した。2040年、中国経済の世界のGDPに占める割合が、第2位となるアメリカ(14パーセント)に大差をつけ、40パーセントになるというのだ。フォーゲルの予測は、同じ号に掲載された記事で「中国政府が全知の存在であると買いかぶった」ものだ、と反論を受けた。

 重要なので、本書で絶えず強調してきたポイントをくり返すが、中国が近年著しい成長を遂げたのは「政府が全知の存在」だからではありえない。もしそうだとしたら、中国市場経済の未来へ寄せる信頼はずっと弱まってしまう。中国がいかに資本主義化したかの本書の説明では、たびたびトウ小平をはじめ、指導部の果たした重要な役割に言及している。ただしトウは毛沢東とは違い、アダム・スミスが「体系を重んじる人(マン・オブ・システム)」と呼んだものでは断じてなかった。

 毛が得々とユートピア的な計画をこしらえては人民に課したのに対し、地に足の着いたトウは、事実に反する理論など大切にできなかった。トウ小平がしたことは、政治にイデオロギーを寄せ付けないで政府を冷静に保つことだった。トウのたゆまぬプラグマティズムと抜け目のない政治手腕がなかったら、経済改革の成り行きと結果はかなり違っていたことは、疑う余地がない。しかし中国経済に奇跡的な隆盛をもたらしたそもそもの要因というのは、楽観主義、エネルギー、創造性、決断力にあふれた中国人民である。

 私たちも、フォーゲル教授が中国の将来に抱いていた楽観的な考えを共有するが、この本で提示する分析の枠組みは、中国経済の量的な軌跡を予測する経済成長モデルを提供するものではない。フォーゲルは中国を過大評価しているとの批判が多かった。しかし本書はフォーゲルの予測を半分に割り引くとしても、その大局的な見方を変えるわけではない。

最大の強みは勤勉で辛抱強い13億の国民

 中国の最大の強みは、進取の気性に富み、勤勉で、辛抱強い13億もの国民をかかえていることだ。1970年代末に産児制限政策(一人っ子政策)を導入したにもかかわらず、中国はいまだに世界一の人口大国である。急速に都市化した数十年を経た現在も、国民の半分は農村部に住んでいる。農村住民の心の奥底には、都市へ移り住んでもっと良い仕事につき、もっと良い暮らしをしたいという願望があり、さらなる都市化と工業化の余地が残っていて、それが今後の経済成長の継続に不可欠となるだろう。

 とはいえ、中国の人口はますます高齢化している。先進国の多くが出産に助成金を支給する時代に、なおも大家族を望む中国人が多いことに政府は感謝すべきなのだ。国民一人ひとりが教育を受け、創意に富み、社会主義体制下のように雇用を求めて待つでもない、この現代中国で、政府が産児制限を強いるのは誤った政策だと思われる。一人っ子政策は一時的な緊急策のはずだった。長く続きすぎれば、中国経済と社会への悪影響も長引き、深刻になるだろう。

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いい加減現実世界からかけ離れたファンタジーを垂れ流すのを止めてもらえませんか(2013/03/15)

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