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中国経済がさらに強大かつ持続可能になる条件

『中国共産党と資本主義』第6章を読む(最終回)

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2013年3月22日(金)

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 中国社会主義が資本主義化すると予測した唯一の専門家がいる。スティーブン・チュンだ。しかし、その彼も、市場経済への転換には100年かかると見ていた。現実の中国は1976年の毛沢東の死去以後、急速に資本主義化を果たした。それは脅威の物語だ。
 『中国共産党と資本主義』のこの節は、中国の課題に触れて、この章を締めくくる。

 過去数十年間にわたるポスト毛沢東体制の中国の経済改革は、経済と社会を根本から変革した。1976年に毛が死去したとき、中国は一人あたりGDPが200米ドルにも届かない世界の最貧国だった。それが2010年には一人あたりGDPが4000ドルを超す世界第2位の経済大国となった。

 同じ時期に中国の世界経済のシェアは2パーセント以下から約9パーセントにまで上昇した。毛沢東時代に厳禁とされていた私企業活動は、いまでは全土で繁盛して、中国経済の屋台骨となっている。世界一のインターネット・携帯電話利用者数を擁し、世界最大の自動車市場である中国社会は開放的でエネルギーにあふれ、移動性が高く、情報が豊富で、活力と向上心に満ちている。中国の大学でさえも近年は改善のきざしを見せており、卓越のための必須条件である学問の自由を実現している。中国経済にはまだ非常に大きな成長の余地がある。

 中国の市場転換の物語は、前もって語られていたとしても、誰も信じなかったことだろう。市場転換の到来を予測していたおそらくは唯一の経済学者、スティーヴン・チュンは再三そのスピードを下方修正した。チュンの分析と予測を信じた数少ない人たちでも、20年や30年ではなく、まず100年はかかると考えていた。

辺境で自ら社会主義は敗北した

 これが異例というには、もう一つ別の理由がある。ポスト毛体制の指導部が行った改革は「社会主義革命」を志向し、中国を後進国から「強大で近代的な社会主義国」へと変えることを意図していた。中国は改革を始めたとき、社会主義を捨てはしなかったのだ。

 改革中ずっと中国政府は社会主義に忠実でありつづけた。飢餓と失業の途方もない重圧を受けてはじめて私企業が農村部と都市部でわずかに活動できる余地を許された。しかし私企業活動の歯止めが解けたとたん、国家主導の改革策よりもむしろ一連の辺境革命が、中国経済にたちまち市場原理を復活させたのだ。モスクワで、ワルシャワで、プラハで、社会主義は単に駆逐されたのに対し、四川、安徽、浙江、広東では自ら敗北した。

 これはまた中国ならではの特徴の物語でもある。改革中に生じ、その方向を決定づけた政治討論、とりわけ社会主義の本質をめぐる論争は、他国に類を見ないものだ。中央集権化と非集権化に関する政策選択は、中華帝国の政治史にもとづき、特徴づけられていた。実践を真理の検証基準とすることをめぐる哲学的議論には、伝統的な中国文化の影響ならではの重要性と意義深さが備わっていた。

 今後の何十年にもわたって、資本主義の中国は必ずや中国的でありつづけるはずだ。社会主義の中国が、20世紀のあいだ中国の伝統にひどい暴力を加えたにもかかわらず、そうでありつづけたのと同様に。

コメント2件コメント/レビュー

中国の歴史や経済の膨大な知識とそれらへの理解と分析には敬服する。凡才の私にはとうてい理解できない。今後中国はどうするのか、どうなるのか、分かりませんでした。これは誰に対しての論なのでしょうか。中国は聞かない・読まないと思います。(2013/03/22)

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いただいたコメント

中国の歴史や経済の膨大な知識とそれらへの理解と分析には敬服する。凡才の私にはとうてい理解できない。今後中国はどうするのか、どうなるのか、分かりませんでした。これは誰に対しての論なのでしょうか。中国は聞かない・読まないと思います。(2013/03/22)

日本の大手電機会社が凋落していく昨今、そういう会社はどうもトップの人事が官僚的に硬直して組織全体に柔軟性が無くなっていく結果として凋落に行きついているように見える。中国はその過程を日本の何倍ものスピードで起こっているのではないか?繁栄の副産物で既得権が生まれ、既得権の守る為の人的縄張りが硬直化していく。間違いが起こっていることは認識できるが、その間違いを是正するには余りにも多くの既得権を用語するトップクラスの人達が邪魔をする。急激な成長に対して急激な衰退が起こる可能性はかなり大きいように思う。それほど既得権が保守という名前となって政治を動かすと選挙制度がない中国では内部分裂闘争がもっと大きく起こらない限りは問題解決は無理。(2013/03/22)

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