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カカクコム激安店が売る「ヤマダモデル」

家電、自縄自縛の安値

2013年4月1日(月)

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 3月、北海道に住むとある知人から連絡を受けた。

 「この前、富士通のパソコンを買ったんだけど、価格.comで上から何番目かに安いネット通販で買ったら、届いたのがヤマダ電機のオリジナルモデルだったんだよね」

 私は、彼が言おうとしていることをすぐには理解できなかった。が、ほどなくその意図が分かった。知人が指摘したかったのはつまり、その量販店でしか販売されないはずの「オリジナルモデル」が、他社のインターネット通信販売で買えた、というおかしさだ。

 後日詳しく経緯を聞いてみた。

本家より3万円安い「独自商品」

 知人は3月上旬、家庭のノートパソコン(PC)を買い換えようと近くの家電量販店を訪れた。売り場であれこれ試して、見定めたのが富士通の「FMVA77J」だった。価格は約9万6000円。値札には、1週間限定の値下げだと記されていたという。

 知人はその夜、価格比較サイトの「価格.com」で品番を検索した。すると上位5~6社の価格は8万円台。訪れた量販店で購入する選択肢は消え、安くて送料無料だった都内のある事業者から購入することにした。「一番安くはなかったけど、数百円の違いで、上から3番目か4番目だった」という。

 購入者情報を入れ、サイト上で注文。販売会社の銀行口座にネットバンキングで8万7000円台の代金を振り込むと、半日後「入金を確認したので今からPCを発送する」旨のメールが届いた。2日後にはPCが到着。知人によると、東京から北海道なのでこれは最速のパターンらしい。ここまでは順調だった。

 だが、知人は届いたパソコンの箱を開けて驚く。「このパソコンはオリジナルモデルです」。説明書類に混じって、そう書かれたB5判の紙が1枚入っていた。読み進めると、あらかじめ、「ヤマダマルチSNS」が組み込まれている、という説明があった。

 型番をよく見ると、「FMVA77J」の後に、色を表す文字があり、最後に「Y」とあった。Yをつけてネットで検索すると、家電量販店最大手、ヤマダ電機の通販サイトで「ヤマダ電機オリジナル」と書かれていた。価格は3月下旬に私が調べた時点では11万8000円で、還元ポイントはなし。知人が買ったという値段と比べると3万円も開きがある。

 他の小売りに比べ、家電量販店ではPB(プライベートブランド=自主企画)商品は少ない。だが、一部の仕様を変更することが比較的容易なパソコンでは、メーカー品をベースにわずかな変更を加えて、「オリジナルモデル」として売り出すことは少なくない。こうした独自商品の場合、一概には言えないが、量販店は通常よりも多い一定量を仕入れることなどを条件に、仕入れ条件を通常商品よりも有利に結んでいることが多い。

 普通に考えれば、ヤマダでしか売られないはずの「ヤマダモデル」を、ほかの事業者がヤマダよりも大幅に安い値で販売することはあり得ない。

 いったいこの販売会社はどうやってこの価格を実現しているのか。いやそもそも、どこからこのヤマダモデルの商品を仕入れたのか。気になったので、その販売会社を知人に教えてもらって取材を申し込んでみた。

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「カカクコム激安店が売る「ヤマダモデル」」の著者

中川 雅之

中川 雅之(なかがわ・まさゆき)

日本経済新聞記者

2006年日本経済新聞社に入社。「消費産業部」で流通・サービス業の取材に携わる。12年から日経BPの日経ビジネス編集部に出向。15年4月から日本経済新聞企業報道部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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牛島 信 弁護士