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本日「DRESS」創刊~元気な女性誌から見えきた「復活」のキーワード

  • 本田 哲也

  • 池田 紀行

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2013年4月1日(月)

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 ソーシャルメディアやスマートフォンの普及によって世の中が動く方程式が変わりつつある。どうすれば自社の商品・サービスに無関心の人が関心を持ってくれるのか(自分ゴト化)、どうすれば友人や知人間でのクチコミが発生するのか(仲間ゴト化)、どうすれば世の中みんなが話題にするような流れをつくることができるのか(世の中ゴト化)。本連載では、従来のやり方でのブームづくりが難しくなった現代における新しい方程式を探る。

 この数年来、いわゆる「出版不況」の代名詞的にも語られ、その元気のなさにフォーカスがあてられてきた雑誌ビジネス業界。雑誌販売は、2011年には前年比6.6%減の9844億円(出版科学研究所調べ)。この時点で14年連続の前年割れだ。昨年2012年に休刊した雑誌は実に152誌にのぼる。しかしここ最近で、やっと新たな時代に向けた「動き」が見え始めている。その雑誌ビジネス復活のキーワードが本連載のテーマである「世の中ゴト化」や「仲間ゴト化」なのだ。その観点から、最新の動きを見ていこう。(本田)

「美魔女ブーム」に見る雑誌ビジネスの世の中ゴト化

 本日2013年4月1日。日本初のアラフォーシングル女性向け新雑誌「ドレス(DRESS)」が創刊された。「『LOVE40』30代までは練習です。40歳からが女の本番!」がそのキャッチフレーズだ。出版元となる「株式会社ギフト」には、幻冬舎の見城徹社長、秋元康氏、エイベックスの松浦勝人社長、サイバーエージェントの藤田晋社長らが参画することも昨年発表され話題となった。さらに、「DRESS」は単体の雑誌として存在するのではなく、「100年先の女性の生き方を応援する」をコンセプトとした「プロジェクトドレス」の中の1つという位置づけ。「プロジェクト」が具体的にどうなっていくのかは今後の展開次第だが、その意図が「従来の雑誌ビジネスを変革する」という点にあるのは明らかだ。

雑誌「DRESS」

 この「DRESS」を世に出すのが、もと「美STORY(光文社)」の編集長であり、いわゆる「美魔女ブーム」の仕掛け人である山本由樹氏だ。おそらくこのコラムをお読みの方で「美STORY」を手にした読者は限られるかもしれないが(僕も含めいわゆる“オジサン”をイメージしました。失礼。)、そうだとしても「美魔女」というコトバはおそらく耳にし、何なら口にさえしたことだろう。

 新橋の居酒屋あたりで「いやあ、経理部のイケダ女史、あれは『美魔女』だよなあ」とか。この「美魔女」はそれだけ世の中に広がり、結果として2012年の「流行語大賞」の候補にもノミネートされた。「美魔女」はそもそも「年齢という言葉が無意味なほど輝いている女性」というニュアンスで「美ストーリー」から発信されたわけだが、その後2010年には「国民的美魔女コンテスト」が開催され、全国から35歳以上の女性約2500人が参加することになる。その様子がテレビなどでも報道され、「美魔女」の認知が拡大し人々の口の端にのぼるようになっていった。

 この図式はまさに、「美魔女」がマーケティングやPRの領域でいわれる「社会記号」として機能したことにほかならない。「社会記号」とは、ある状況や事象あるいは特定の集団などが、世の中に広がっていくシンボリックな名称のようなものだ。

 「コギャル」「婚活」「イクメン」なども社会記号に入る。「美STORY」を雑誌媒体というひとつの商品だと捉えれば、「美魔女」という社会記号によって世の中ゴト化が推進され、その結果ビジネスに寄与するという、まさに戦略PRの発想によるマーケティングだったといえる。この点において、雑誌ビジネスではこれまでにない斬新な取り組みだった。

 今回創刊された「DRESS」も、女性の社会進出や人生観の変化、「美しさ」の定義の変化など、ひとつの社会潮流をベースにしているのは明らかだ。世の中ゴト化をうまく取り入れた雑誌ビジネスの可能性という観点で、注目すべきだろう。

多様化する読者層と、「仲間ゴト」にフォーカスした新雑誌の登場

 冒頭に数字を出したように、昨年休刊・廃刊した雑誌は152誌。では一方で「創刊」はどうなのか。出版科学研究所によると、2012年の創刊数は97誌。100を割ったのは実に47年ぶりの低水準だという。

 こうした苦しい状況の中でも、創刊される新雑誌の中には、これまでにない狙いや、特定の潮流をとらえたものが登場してきている。「美魔女」のように世の中ゴト化を画策したものではなく、むしろ「仲間ゴト」という考え方を編集方針に打ち出した雑誌の登場だ。中でもユニークなのは、先月3月21日にぶんか社より発行された、「la farfa(ラ・ファーファ)」。コンセプトはいたって斬新。「日本初の、"ぽっちゃりさん"のファッション雑誌」、つまり身体の大きな女性がメインターゲットの女性誌だ。

コメント1件コメント/レビュー

キーワードの視点は違うのではないか。今まで衣服やコスメ、バッグやジュエリーなど自分を細工で着飾ることにしか目が向いていなかったのが、もっと土台のフィジカルな部分に勝負意識が向いたということじゃないのか。オツムの中身も肉体も、自分で努力しなければ手に入らない、そこに差別化の原点があるのだけどね。(2013/04/01)

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キーワードの視点は違うのではないか。今まで衣服やコスメ、バッグやジュエリーなど自分を細工で着飾ることにしか目が向いていなかったのが、もっと土台のフィジカルな部分に勝負意識が向いたということじゃないのか。オツムの中身も肉体も、自分で努力しなければ手に入らない、そこに差別化の原点があるのだけどね。(2013/04/01)

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