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キプロス、ユーロ離脱第1号への道

2013年4月4日(木)

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 ユーロ圏の、というよりも正確にはトルコ南部の中東付近に浮かぶ小島と言った方が良さそうなキプロスが、世界の耳目を集め金融市場に緊張感をもたらした。今回の報道で、あらためて世界地図をご覧になった方も多いだろう。観光地として有名とは言っても、それは英国やドイツ、あるいはロシアの人々にとってのことであって、壁画聖堂群などの世界遺産があるとはいえ、日本人にはなじみは薄い。

 そんなキプロスで、欧州連合(EU)から支援を受けるために預金に課税するといった耳慣れない報道が世界を駆け巡り、2月のイタリア総選挙で嫌な空気が戻り始めていたユーロに、さらなる打撃が加わった。為替市場の目玉は、もはや円売りではなくユーロの売り戻しである。

既に事実上崩壊していた大手銀行

 キプロスがEUに支援を要請したのは、2012年6月のことであった。だが当時、欧州はギリシャ、スペイン、イタリアといった国々の問題で手一杯であり、ユーロ圏の経済規模に対し0.2%程度の小国に関与している暇は無かった。またEU首脳らは、当時の同国政権を信用できる交渉相手として見なしておらず、今年2月の選挙での新大統領の登場を待って抜本的な対策を講じる、という先送り策を講じていた。つまりこの1年近くにわたり、事実上崩壊していた同国の大手銀行を延命させていたのである。

 今回の同国支援の顛末については既に詳細な報道が行われているので、反復は避けよう。市場の観点から主な注目ポイントを整理すれば、次の通りである。

(1)なぜEUはキプロスに冷たい態度を採ったのか
(2)なぜロシアはキプロスを助けなかったのか
(3)次の支援国は何処なのか
(4)金融支援の「ベイル・イン(債権者負担)」は何をもたらすか
(5)キプロスは100億ユーロの融資を返済できるのか
(6)キプロスはユーロを離脱するのだろうか

 以下、一つずつ推論を交えながら述べてみよう。

預金者まで強制負担という厳しい措置

 まず今回EUがキプロスに「預金課税」を迫ったことは、金融市場で働く人間だけでなく誰にでも「想定外」の出来事であっただろう。預金には「預金保険」がある。キプロスにも2000年9月に10万ユーロ未満の預金は保護される制度が導入された、と同国中銀のホームページもちゃんと書いてある。

 だから、資金洗浄などの噂があったとしても、同国民はその保険制度を信用して銀行におカネを預け続けていたのだろう。だがEUが当初持ち出した支援条件は、小口預金を含むすべての預金に課税する、つまり小口も含めてすべての預金元本が削減されるという、驚愕の要求であった。

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「キプロス、ユーロ離脱第1号への道」の著者

倉都 康行

倉都 康行(くらつ・やすゆき)

RPテック代表

1979年東京大学経済学部卒業後、東京銀行入行。東京、香港、ロンドンに勤務。バンカース・トラスト、チェース・マンハッタン銀行のマネージングディレクターを経て2001年RPテック株式会社を設立、代表取締役。立教大学経済学部兼任講師。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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