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いま必要なのは雇用の流動化ではなく、安定化だ

安藤至大・日本大学総合科学研究科准教授に聞く

2013年4月11日(木)

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 高年齢者雇用安定法の改正で、65歳までは希望者全員を引き続き雇用することが義務づけられた。少子高齢化が進み生産年齢人口が減っていく一方、増え続ける高齢労働者。労働力の高齢化の影響は、社会にどのような形で現れるのか、労働経済学が専門の安藤至大・日本大学准教授に聞いた。

4月から、60歳で定年を迎えた会社員でも、希望すれば会社に引き続き雇用されるようになりました。

安藤:多くの人がこれを大ざっぱに「定年延長」と言ってしまうんですが、それは間違いだということをまず整理しておきましょう。高年齢者雇用安定法では、これまでも高齢者の継続雇用を義務付けていました。その際に、定年の引き上げも選択肢の1つですが、そのほかに定年を廃止することと継続雇用制度を導入すること、合わせて3つのやり方をから選ぶことができました。そして継続雇用制度を選んだ場合に、これまでは労使の合意があれば対象者を限定できる仕組みがあったのですが、これが廃止されたのが今回の法改正の注目点ですね。

辞めてほしかった人にも居座られてしまうことに

 継続雇用というのは、雇用関係は定年で終了し、その後に新たに契約するということです。ですから、そこで待遇を変えても良いし、仕事の中身を変えてもいい。子会社や関連会社での継続雇用も認められています。極端な話、直前まで部長さんだった人を子会社の平社員にして、最低賃金で雇っても理論上は問題ありません。

安藤 至大(あんどう・むねとも)
日本大学大学院総合科学研究科(ARISH)准教授。1998年3月法政大学経済学部経済学科卒業、2004年東京大学博士(経済学)。政策研究大学院大学助教授などを経て2005年4月から現職。専門は契約と組織の経済学、労働経済学、法と経済学。 NHK(Eテレ)の「オイコノミア」に講師役で時々出演。

これまでも、大企業などでは定年退職でいったん辞めてもらい、子会社などで再雇用している例は多いですよね。

安藤:高齢者の継続雇用自体は、大企業を中心として、ニーズに応じて以前からありました。2007年問題とか、2012年問題などと言われたように、団塊の世代が大量に退職することから、企業内の知識や技能が失われてしまう懸念があったことも大きいですね。ただ、全員が継続雇用されていたわけではありません。高齢者になると、健康面や能力面で差が生まれてしまいますから。

 積極的に後進を指導し、皆に慕われるような高齢者もいるでしょうが、50代後半から、戦力にならないどころか若手の足を引っ張っているような「ちょっと、この人はお引き取り願いたいなあ」という社員も実際にいるわけです。このような場合でも、これまでなら定年の60歳までは約束した通り雇い続けますが、それ以降については事実上、そうした人々の再雇用を避けることができた。ところが4月からは、本人が望むなら原則として働く場を用意しなければならなくなった。厚生労働省のホームページのQ&Aのコーナーにもありますが、心身の状態や勤務状況が著しく悪い場合には継続雇用をしなくて良いとされています。しかし、多くの企業では、争いになることを避けるために、何らかの仕事を用意することになるでしょう。最近のニュースでは、NTTとトヨタ自動車で象徴的な事例がありました。

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「いま必要なのは雇用の流動化ではなく、安定化だ」の著者

広野 彩子

広野 彩子(ひろの・あやこ)

日本経済新聞社NAR編集部次長

朝日新聞記者を経て日経ビジネス記者、2013年から日経ビジネス副編集長。日経ビジネスオンラインでコラムの執筆・編集を担当。入山章栄氏の著作『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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