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【シャープ取材班集中連載(3)】 片山会長“暫定政権”の成否

2013年4月10日(水)

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 「よっしゃ。“台湾”が“鴻海”に見えてきたぞ」――。

 3月8日の夜。野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)2次ラウンド、日本対台湾戦をテレビ観戦していたシャープ上層部のある関係者は、歓声を上げた。

 試合は、日本中が手に汗を握った大熱戦。終盤まで劣勢に立たされた日本が、九回二死から中日・井端の劇的な適時打で同点に追いつくと、延長戦の末に勝利をもぎとった。

 奇しくも、シャープはこの2日前、韓国サムスン電子との電撃的な資本提携を発表。この一件で、3月末の払い込み期限までの合意を目指して台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業と進めてきた出資交渉は、物別れに終わることが決定的になった。

 シャープは、交渉難航の理由に、同社の急激な株価下落を挙げる。だが、台湾の代表チームをホンハイに重ね合わせて逆転勝利に溜飲を下げるシャープ関係者の姿には、ホンハイとの関係に手を焼いてきたシャープの本音が垣間見えた。

「片山登板」は批判覚悟か

 筆者が、この関係者を取材で訪ねたのには目的があった。

 シャープはこの1年、内外から様々な批判にさらされてきた。繰り返される業績見通しの下方修正、提携を決めたはずのホンハイとの交渉難航、資産売却の遅れ。原因はいろいろあるが、中でも風当たりが強かったのが、「企業統治(ガバナンス)の迷走が経営危機に拍車をかけた」という指摘だ。

代表権のない会長に退きながら、米クアルコムや韓国サムスン電子との交渉に奔走した片山幹雄シャープ会長。「片山氏本人は早く辞めたがっていた」と関係者は語る。(写真、都築雅人)

 シャープは経営危機が表面化した昨夏以降、インテルやアップル、クアルコムなどの米国企業に次々と提携交渉をもちかけた。その役割を担ったのは、奥田隆司社長ではなく、昨年春に代表権を返上した片山幹雄会長だ。

 液晶事業で巨額赤字を招く原因を作った片山氏が、今も会社の先行きを決める提携交渉の中心にいる。このことが、「真の経営トップが見えない」との批判を招く要因になった。

 しかし、疑問もある。批判の矛先となるのは明らかなのに、シャープはなぜあえてそのような経営体制を取っているのか。筆者は、同社内部の率直な思いを知りたかった。

液晶と経営権の死守に固執

 この疑問に対し、関係者はこう解説してくれた。

 「片山会長は、早く辞めたがっていた。でも、経営状況を見かねて、自分が動かないといけないと思ったのだろう。彼は液晶事業で大成功し、それを吹き飛ばすほどの大失敗も経験した。ある意味、あれだけ貴重な人材はなかなかいない。使えるリソースは全て使わないと、シャープは立ち直れない。我々はガバナンスに対する批判を全く気にしていない」

 日経ビジネス4月8日号では、「液晶の呪縛、解き放て」と題して経営危機にあえぐシャープ関係者の証言を集めた。多くの証言の中でも、上記のような意見は特に印象に残った。

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「【シャープ取材班集中連載(3)】 片山会長“暫定政権”の成否」の著者

田中 深一郎

田中 深一郎(たなか・しんいちろう)

日経ビジネス記者

日経新聞科学技術部、証券部を経て、2012年4月より日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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