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LNG先物市場創設のナゼ

原油が辿った道のりを30年遅れで追うLNG

2013年4月15日(月)

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 「ジャパンプレミアム」という不名誉な名前を付けられた割高なLNG(液化天然ガス)を買い続けてきた日本。この流れを断ち切り、LNGを安価に入手すべく政府が動いた。経済産業省が3月29日、LNG先物市場を2014年度中に創設する方針を固めたのだ。

 パイプラインで流通するガスには、米ヘンリーハブなどの価格指標が存在する。ところが、LNGに市場は存在せず、基本的に相対契約で取引されている。つまり、LNGが実際のところ、いくらで取引されているかは霧の中だ。しかも、価格は原油価格に連動する。シェールガスの登場などで需給が緩み、パイプラインでの取引価格が下落しても、日本はその恩恵を受けられない構図だ。

 日本でLNG先物市場が立ち上がれば世界初。取引価格が明るみに出てくると、LNGの価格指標ができ、原油連動から解放される。取引が活発になれば、需給に応じた価格で、LNGを調達できるようになる。日本が、不条理なジャパンプレミアムから解放される。

 ただ、先物市場が本格的に機能するためには複数のハードルを越えなければならない。(この点については、4月15日号日経ビジネス時事深層「前途多難なLNG先物市場」をご覧いただきたい)。

 では、なぜ今なのか。LNG取引の歴史は長いが、これまで市場創設の動きが顕在化したことはなかった。

 住友商事の高井裕之理事は、こう説明する。「東日本大震災以前は、ヘンリーハブとアジアの取引価格の値差はそれほど大きくなかった。震災後に日本の輸入量が急増しLNG価格が高騰したことと、ヘンリーハブ価格がシェールガスの増産で急落したことで、値差が急激に広がり、市場創設の必要性が出てきた」

 ヘンリーハブと日本の取引価格の差があまりに大きくなり、無視できなくなった。そこで、民間の取り組みを越え、政府が市場創設に動き出したというわけだ。

「原油で言う1980年がLNGの今」

 実は、LNG取引における現在の状況は、原油が辿ってきた歴史と重なる。

 かつて原油にも取引市場はなく、価格は産油国(OPEC)が一方的に決めていた。1970年代初頭の原油価格は、1バレル当たり2ドル程度と安価だったので、市場の必要性が叫ばれることはなかった。

 ところが、1973年に始まった第4次中東戦争で、同2ドルだった原油が、同10ドルに高騰。第1次石油ショックが起きた。さらに、80年には同30ドルにまで跳ね上がり、第2次石油ショックとなった。「このままOPECに一方的に価格を決められては困る」という市場創設ニーズが生まれ、ニューヨークマーカンタイル取引所(NYMEX)に、原油先物のWTIが上場した。

 いざWTIが上場されても、すぐさま原油取引に影響が出たわけではないが、価格変動をヘッジできるといった利便性から、徐々に浸透していった。この間、WTIだけでなく「北海ブレント」や「ドバイ原油」などの価格指標も誕生し、取引時のベンチマークになっていった。

 住友商事の高井理事は「原油で言う1980年前後がLNGの今」だと言う。

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「LNG先物市場創設のナゼ」の著者

山根 小雪

山根 小雪(やまね・さゆき)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日経エコロジーを経て、2010年1月から日経ビジネス記者。エネルギーを中心に、自動車や素材など製造業を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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牛島 信 弁護士